2016年の映画「メッセージ」見ました。感想です。
原作小説が「Story of Your Life」、原題が「Arrival」、そして邦題が「メッセージ」です。
珍しく、個人的には、この邦題が一番面白い題名でした。
人知を超えた科学力を持つ宇宙人がやって来るお話です。
その宇宙人の行動原理や考えなど、結局は考えても分からない。
未来を知る能力の詳細も、分かりはしないのです。
例えば、ここで私が世界を作り「少年A」と言う人物を作ったとする。
この少年Aは果たしてどんな人物か?
もちろん、分かる人はいない。
しかし、この世界にも神がいます。私の事です。
だから神の事を探れば、この少年Aがどんな人物か、当てられる可能性が出て来るのです。
たぶんこの少年Aは日本人でしょう。髪も黒く。日本語を話します。絶対に流ちょうにポルトガル語を話したりしません。私には分からないし。
さて、映画の方に戻ります。
宇宙人の思惑は分からない。しかし神の思惑は推し量れるかもしれないのです。神とは原作者か監督の事です。
監督からのメッセージを読み取る事が、この映画で大事な事だったのです。
この映画内の事です。
もし未来が決定していて、何も変えられないのだとしたら?
だとしたら、この宇宙人の行動を考えても意味が無い。理由など無くそうなるからやってるだけだからです。水が下に下に流れるが如くです。そこに意味はない。
もしかしたら未来が決定している可能性もありますが、そうだとしたらもう何も考える事はないのです。そう言う物だと思えば良いだけです。
しかし神の行動を見てみましょう。
この映画の作りから言ったら、どうも人の行動や決定には意味がある、ように作っています。
子供の記憶が始めの方に出て来ますが、あれは意味が無い事です。
子供の記憶が世界を救った訳ではないからです。
では、あの子供の記憶が出て来る訳は?
それは「そうなる未来と分かりながら、それを選ぶのか?」と言う事です。
子供を産めば、その子は若くして死ぬ。しかし子供を産むことを「選ぶのか?」と言う話です。
そうなると、たぶん未来を知る事が出来るのと、分岐できる人物は限られてきます。
だからあの主人公だけに与えられた能力なのでしょう。
物語上、あの主人公だけに、宇宙人から能力が与えられた筈だからです。
それに、人類に「今のうちに、未来を見れると言う事になれておけ」と言う事かもしれません。
皆に与えられたら決まった分岐が出来なくなる。他人が未来をそれぞれ変えてしまうかもしれないからです。
もちろん、人の数だけパラレルワールドが作られるのなら、それは可能だろうけど、それを言ったら何でもありなので、ここでは省きます。
宇宙人が来た理由は「3000年後に人類が必要になる」と言う物でした。
つまり「人類がいないと困る」と言う事です。
そこには「いない未来」と「いる未来」があり「いる未来じゃないと困るから来た」と言う選択が見えるのです。
もちろんあくまで物語上の事であり、だから神からのメッセージだと言う事です。
未来が決定してるのなら、3000年後がどうのこうのなどと言う理由など、物語上いらないのです。
未来が決定しているのに、それを選ぶ気持ちとはどういう物か?
この話では言葉が大事だったが、それを文字で伝えると言う事でした。
文字には時間がない。
小説は文字で出来ています。漫画だって絵だけど、複雑な象形文字と思う事も出来ます。
一度見た漫画を読み直した事はないですか? 一度見た小説は?
もちろん、何度見ても結果は同じです。
でも見たりします。それが不幸な終わり方であってもです。
その気持ちが分かるのなら、この主人公の気持も分かる事でしょう。
おまけです。
Googleのサービスのアナリティクスと言うので、このブログの動向を見ています。ただの趣味的にです。
そこで数人が検索したのが分かり、それがこの映画メッセージでした。
私もまた、メッセージを受け取り、この映画を見てみた訳なのです。
むろんそこには、見るか見ないかと言う分岐があり、見ると言う選択を今回はしたと言う事です。