号漫浪正大

輪るピングドラム ~物語を見直す

タイムリープ物を、もう一度

アニメ「サマ-タイムレンダ」見ました。

ただの感想です。ネタバレです。

元は漫画だそうですね。

 

まずは、面白いですね。

特に中盤までは面白い。

 

基本は、よくある物の寄せ集めです。

しかし基本はそれで良いと思っています。

どこでも見た事の無い作品など、まず無いからです。

 

「恋はデジャ・ブ」「オールユーニードイズキル」そして「シュタインズ・ゲート」などを思い出しますね。

 

もし独自性を欲しいのなら、寄せ集めでも「まずは面白い作品」を作り、それを改良して独自性を出すのが基本でしょう。

もしくは、独自性のある物語を考えた後で、面白くなる様に改良していく。その改良材料が、寄せ集めでも定石でも良いので、とにかく面白くなるようにする。

 

とは言っても、この作品は「どこかで見たような部品」が多い気がします。

ただ私は、たまに「ジャッキーチェンが出て来るアクション映画」が見たくなります。

それと同じように「タイムリープ物」と言うジャンルをたまに見たくなるので、ある程度ありきたりでも、この様な作品がある事はありがたいです。

 

タイムリープ物に、ミステリー、特殊能力戦い物に、古いしきたりや伝承とかのホラー系、それに孤島田舎物と言う、ありきたりだが、面白い事が分かっている作りです。だから好感はもてます。

「胸が大きなメガネ作家」とか、なぜか「基本が水着」とか「パンツを見せる」など、明らかな媚びを売っていますが、それもこの程度なら良いと思います。連載物は大変だろうから、ある程度はしょうがないのでしょう。

 

この様なミステリー調は、ネタ切れになりやすいので、長い連載物だと厳しいだろう、と思って見てました。

しかし上手く長く持たせてました。10話ちょっとくらいまでは持たせていたので、そこは感心しました。

しかし流石に15話位からは「長引かせているな」と分かるのが問題ではありました。もしくは単に、ネタ切れだっただけかもしれないけど。

ネタ切れになった時、特殊能力戦い物、に持っていくのは良くある事です。だからそうなってましたね。

戦い物も悪くはないのだけど、始めのミステリー感が途切れるので、賛否両論にはなるでしょう。

全体として25話はいらないですね。でもワンクールだと短い。20話位でも良かったと思います。出来ればだけど。

 

全体的に頑張っていた気がしますが、どうも整合性が合うのかな? と思う所もあります。

途中からは、どうせ殺されるのだから、島全体で仲間を作って戦った方が良いだろ? とか思ったりはしました。

そこから更に、最後の方になるほど、ご都合主義観が出て来たのは問題だと思います。

(ご都合主義とは、とても運が良い事が起きる、とか、設定の方を変えて来るか、新たな設定を途中に入れて来る事で、まじめに見てる事が馬鹿らしく思える事です)

 

この話もゲームっぽいのだけど、ゲームではなく漫画ですね。

シュタインズ・ゲートの方はゲーム原作です。

シュタインズ・ゲートはぼ一人称ゲームなので、内容もそう言う感じになっている。

しかしサマータイムレンダは漫画だからか、俯瞰が多く、一人称では無いですね。

そこに、内容自体の違いが出てきやすいのだと思います。

 

シュタインズ・ゲートは元が一人称ゲームだから、自分目線の話になりやすく、だからどこまでも「孤独感」が出ている。

仲間が出来ても、それは一瞬であり「どこまでも孤独な戦い」になる。

そこに哀愁が出てきて、あじが出るのです。

 

サマータイムレンダは仲間が多い。

だから孤独感が出ない。

超能力まで得て、だからせっかくの「リアル路線の自分目線の話」ではなくなり、非現実感が強くなる。だから共感力が薄れるのです。

 

なので全体的には、名作「シュタインズ・ゲート」には、かなわなかったですね。

 

やはり連載物と言うのは、長くなるので難しい。

初めから最後まで作った作品の方が、こういうタイムリープ物には適しているのでしょう。

 

タイムリープは、もう、一つのジャンルでしょうね。

だから、たまにやってほしいものです。