号漫浪正大

輪るピングドラム ~物語を見直す

Don't be in the Dark

映画「ドニー・ダーコ」を、かなり前に見ました。

あいまいな考察です。勘弁です。

 

ずっと考えているが、今一パッとしない。

そもそもアメリカの事なので、日本人だと無理じゃ無いのかな? 英語も分からないし。

と言う訳で、あいまいな考察程度で良かったら聞いて下さい。

 

そもそも気になったのが、ネットで良く出て来るイクニさん事幾原さんの写真で、ウサギの被り物を手に持ってるのがあります。

これが何を意味してるのかは分かりませんが、パッと思ったのが映画「ドニーダーコ」でした。

もしかしたら関係ないのかも知れませんが、気になります。

と言う事で「ドニーダーコ」を見てみました。

 

見ると訳が分からないのですが、だからこそ怪しいですね。

分からないと言う事は「全体を通す暗喩」がある可能性があるからです。

そもそもイクニさんから、その可能性があると思って見てたからですけど。

 

さて、長らく考えても、はっきりした答えは出なかったのですが、そうかも? 位な考えを言っときます。

 

始めの方で家族で食事をしています。この時の会話です。

「デュカキスに投票する」とドニーの姉が言ってますね。

この映画内の年は1988年で10月です。だとすれば11月に大統領選挙で、共和党ブッシュと民主党デュカキスの一騎打ちです。この事を姉は言っています。

そして父が増税の事を言います。つまりデュカキスに入れたら増税されて大変だぞ、と言いたいようです。ちなにみこの家庭、特に母が古典的な風貌なので共和党主義者っぽいですね。

ちなみに、ブッシュは「増税はしない」と言う公約のもと大統領になり、その後増税しています。それも原因で次の大統領選挙で負けたようです。

この映画が2001年公開なので、もちろんこの後の事も知っていての会話です。そしてこの会話、映画的には意味無いでしょ? だから暗喩として意味があると思うのです。

 

この映画、なぜか空から飛行機のエンジンが落ちてきます。

それで死にかけたが、生き残った主人公がいて、その為世界が終わりそうだと言う話です。結果過去に戻り飛行機事故で主人公が死ぬ事により、何も無かった平和な毎日が戻ると言う話ですね。

1988年の飛行機事故で大きなものと言えば「イラン航空655便撃墜事件」です。

アメリカの巡洋艦が間違ってイランの民間飛行機を撃墜して290人全員死亡した事件です。

この時の大統領がレーガンです。この人も共和党で、副大統領がブッシュですね(父の方のブッシュです)。

 

つまり「この様な飛行機事故を起こし、非難され、共和党が選挙で負けていれば、この後の悲劇は起きなかった」と言いたいのではないでしょうか?

飛行機事故で死ななかった為、世界が危うくなったと言いたかった映画に見えるのです。

 

ここからははっきりしませんが、たぶんこの監督はダジャレ的な名前で暗喩を示していると思います。

題名がドニーダーコであり主人公の名前です。変な題名ですね。

ダーコは明らかにダークでしょう。ドニーが分かりませんが、Don't beかな?

まとめて「闇の中にいるな」とは「知れ」と言う意味です。(よく考えて世の中を)知っておかないと未来がおかしくなると言いたかったのかと思います。

 

姉がエリザベスなので、イギリスかな?

その元カレがフランクですね。彼が恋人を殺す。これがフセインですか。

恋人グレッチェンの言葉の意味は「小さな真珠」だそうです。クウェートの意味が「小さな城」と言う意味だし、言葉も少し似ているかな?

 

イラクは元はイギリス領ですね。そしてイラクフセインクウェートに侵攻するのが1990年、つまりブッシュが大統領になった時に起こったものです。

この少し前のイランイラク戦争の時はアメリカはイランに敵対してたので、イラク側に付いてました。それもありイラクアメリカは大きく動かないのでは無いのか? と思っていたとも言われています。

それに「元々クウェートイラクであり、イギリスが勝手に分断してその後アメリカが引きついだ」とイラク側は言っていたようです。たぶん一理あります。

だからイラククウェート侵攻はアメリカの行動のミスが原因だった、と見れなくもないのでしょう。

 

多分ドニーダーコの監督は、あの時大統領選挙でブッシュが勝ったのでクウェート侵攻が起きた、と言いたかったのだと思います。それをフランクがグレッチェンを殺す事で表したのでしょう。

その後フランクをドニーは撃ち殺すのですが、これが湾岸戦争ですね。

 

ちなみに学校にあるブルドックの銅像、たぶんですがボブ・ドールかな? ただ名前が似てるだけですけど(見た目も少し似てるけど)。

共和党内の予備選でブッシュに負けた人ですが、ブッシュのネガティブキャンペーンで負けたようです。それらを水道管壊しとか銅像に斧を刺すとかで表したのか?

 

ジム・カニングハムと言ううさん臭い男が裏でやってた事を明るみにして、警察に捕まらせてます。

たぶんですけど、彼がノリエガですかね? パナマで独裁をしてたがアメリカのパナマ侵攻で捕まったようです。ノリエガは麻薬密輸をしたと言う事です。

パナマ侵攻もブッシュの時ですね。

 

等の事から、ドニーダーコは「あの飛行機事故で共和党のブッシュが政治的に死ななかったから後の悲劇が起きたのだ」と言う映画だった気がします。

 

この映画は2001年公開です。

そしてこの年の9月11日に同時多発テロです。

ビンラディンの動機の一つとして、湾岸戦争後にアメリカ(非イスラム教徒)がイラクに駐留している事に怒っていた、と言うのもあるそうです。

つまり狙ってないけど、この映画が示す、「あの時ブッシュが勝ったから悲劇が起きた」と言うのを体現してしまったのが、この映画公開後なのです。

だからこそ、この映画が公開後に人気が出たと言うのが分かります。

アメリカ人には何か刺さる所があったのでしょう。

 

ああ、そう言えば「タイムマシンの哲学」とかなんとか裏設定があると言うのが、この映画の特徴です。

でもあんなのは、たぶんですが、どうでも良いのです。

どうでもいい、あいまいでいい加減な裏設定等に引っかかている時点でダメです。

「Don't be in the Dark」と言う事です。