号漫浪正大

輪るピングドラム ~物語を見直す

テーマとコンセプト

物語の「テーマ」と「コンセプト」についてを、主に書きます。

 

カール・イグレシアス著「感情から書く脚本術」を読み、本の中の気になった所を書こうと思いました。

しかし、「コンセプト」と「テーマ」と言う章があるのですが、この言葉の違いすら分からないので止めました。

なのでまずは、この二つとそれに付随する言葉が何を表すのかを調べ、そこから書きます。

素人の意見です。疑って下さい。結局は自分でどう考えるかが大事です。

 

 

テーマ

 

辞書によるとテーマは「行動や創作の基調となる考え。主題。題目。楽曲の主旋律」等とあります。

私がまとめた感じだと、物語のテーマは「意識して見せたい物や事」だと思います。

見せたい物は「アクション」や「怪獣」や「古代ローマ」や「可愛いアイドル」等です。

見せたい事は「愛」や「友情」ですが、これにもう少し加えて「愛は素晴らしい」とか「愛は恐ろしい」とか「愛のもつれ」等になります。

見せたい事の方は「メッセージ」になりやすいものです。「戦争は何もうまない」と言う「見せたい事」は「メッセージ」になるからです。

 

ネットで調べるとテーマは「題名の事だ」と書いてある所がありました。物語で使うテーマは、これが一番伝わりやすいと思います。本や映画の題名の事です。

ちなみに後で言う「コンセプト」も「テーマ」になりえます。ジュラシックパークが「現代によみがえった恐竜動物園」がコンセプトだとすれば、これは長い「題名」になりえるからです。

ただテーマと題名は近いが同じでは無いですね。題名は便宜上一つしかないですが、テーマの方は複数あっても良いものです。長いドラマ(たぶん2クール以上の物語)になると、複数無いとネタ切れになります。

ただ映画等の始めから決まっている長さの物語だと、あまり多いと何を伝えたいのか分からなくなりがちなので、なるべく少数か一つにするべきです。

もし複数ある時は、優先順位を付けとくべきだと思います。これは主題と副題と言う間柄にもなるのですが、もっと複雑にも出来るでしょう。

例えとして、まず同率一位で「愛」「友情」「戦争」の物語。

または、一位「愛」二位「友情」三位「戦争」の物語。

またある時は、一位「愛」二位「友情」、同率二位「戦争」、戦争の下に三位「歩兵戦」同三位「戦車戦」

等と複雑にも出来ますが、よっぽど長い物語では無いと邪魔になるだけなんで「テーマとして、そんなに複雑にはするべきでは無いですね。

 

テーマは「意識して見せたい物や事」と言いましたが、この「意識して」と言うのは意識もしないが見せたい絶対条件も上にあるぞ、と言う事です。

絶対条件は後で書きますが「面白い物語」等の事です。

 

コンセプト

 

辞書によるとコンセプトは「概念。観念。全体につらぬかれた骨格となる発想や観点」とあります。

ネットで調べると「テーマを表す為の切り口」とか「ブレない為の一貫した考え」等と出て来ます。

他にもテーマが題名だと言ってた人だと「コンセプトはその内容の事」と書いてありました。

物語のコンセプトとしたら、これは辞書の「全体につらぬかれた骨格となる発想(アイデア」が一番分かりやすいですかね?

そしてこれは「テーマの内容や切り口であり、ブレない為の物になる」と言う説明があればもっと分かりやすいと言う事です。

そして面白くあるべきである物語は、コンセプトの中に「アイデア」が必要です。だから普通は、コンセプトの中に何か目を引く「アイデア」がある必要があります。(アイデアの方は、また本の内容の説明の時書く予定です)

 

さてこれだけだと分かりにくいので「感情から書く脚本術」の中にあるコンセプト例を書いておきます。

「テーマパーク用に現代によみがえった恐竜」は『ジュラシックパーク

「24時間嘘が付けない呪いにかかった弁護士」は『ライアーライアー』

もう少し具体的な例もありました。

「誤って過去に送り込まれた10代の少年は、現在の自分が消滅しない様に父と母を出会わせて恋に落ちる様にしむけなければならない」『バックトゥザフューチャー』

「失業した超自然現象の研究家たちがニューヨークで幽霊の駆除のビジネスを始める」『ゴーストバスターズ

と言う具合です。

 

テーマとコンセプト

 

さて「テーマ」と「コンセプト」の関係です。

さっきも言った様にコンセプトはテーマにもなるので、はっきりした線引きは無いでしょう。

テーマが「幸せになりたい」で簡単なコンセプトが「金持ちになろう」

テーマが「金持ちになろう」でコンセプトが「賭け事をしよう」

テーマが「賭け事をしよう」でコンセプトが「いかさまをやろう」と言う具合です。

ただどれをコンセプトとテーマにすると切り取るかで、物語の内容は大きく変わって行くので、決めた方が良いと言う事です。

 

物語制作上どこから入るのか? も問題です。

言い方を変えれば、どれがやりたい事なのか? です。

テーマ「金持ちになろう」をやりたいのだと、そこから物語制作を始めたとする。

するとコンセプトは「賭け事をしよう」でも「起業しよう」でも「株を始めよう」でも「銀行強盗はどうだろう?」でもなんでもなるのです。

ただ多くの物語制作は、たぶん題名はあとで決めたりしませんかね? この本「感情から書く」でも始めはテーマが分からず、後で分かる時も良くあると書いてあります。

つまりテーマは後から分かっても良い事と、そう言う事の方が多いだろう、と言う事です。

でも普通はテーマを考えた方が良いでしょう。一度書き終えた物語からテーマを考え、そこから直していくのが良いと思います。そうする事で終始一貫した物語になるからです。

ジュラシックパークの映画版は「現代によみがえった恐竜をCGで見せたい」と言うのをやりたかったのだと思います。これはコンセプトです。

そこからテーマを考える。「家族愛」にするのか? 「科学で自然をいじくったら罰が当たる」とするのか? もしくは「企業努力で立ち直った動物園」にするのかです。

これをどれにするのかで映画の内容は大きく変わって行くと思いませんか? だとすれば何を見せたいのか? を表すテーマを後からでも考えてみるべきですね。

ただテーマよりもコンセプトが見せたい物ならそうするべきです。これは言い方を変えればコンセプトが「暗黙の第一位テーマ」であると言う事です。これも他の人にも徹底させるのなら、何が第一目標なのかは伝えるべきです。

 

ちなみにテーマは「メッセージ」にもなります。

メッセージはそれが第一位テーマでなくとも作るべきだと思っています。

男にとって話は意味があるべきものです。メッセージが無いと「何を言いたいのか分からない!」と怒りがちです。

だからこそ不自然じゃない様にメッセージを少し入れておく方が無難ですね。

逆に無いと何も言いたい事もない馬鹿な映画だと思われてしまいますので、それがかまわない場合を除きメッセージは入れるべきです。

 

絶対条件

 

さてこのテーマやコンセプトの上に、もしくはこれらを取り込むように、暗黙の絶対条件と言うのがあります。

これは普通は意識しないで良い事ですが、一度は考えて存在は知っておくべきものです。

もしくはこの絶対条件を壊したい時も意識する必要が出て来ます。

例えばハリウッド映画なら「面白い」事です。ちなみに私も物語はまず「面白い」が第一位であるべきだと思っています。

さっきも言った様に、テーマの前にコンセプトが来る時が多いです。ではコンセプトは何を基準にしているのか? です。

これが「面白い事」なのです。これが暗黙の上に絶対条件として君臨しているから、そこからそれを達成する為にコンセプトが作れるのです。

そしてテーマの上にもこれが君臨しています。しかしテーマ自体は面白いと関係が無い事が多い。つまり普通はどのテーマでも、そこから面白くもつまらなくも出来るだろうと言う事です。

多くの世界でこの絶対条件は、誰も言わないけどあると言う事は知っておくべきです。

石油王の子で自分のお金で映画を作り、映画館も自分のお金で借りて、皆にタダで見せるのなら別ですけど、そうじゃないのなら痛い目に合う事は分かってやりましょう。

他にもまだ絶対条件はあります。その国においてタブーはしないと言う事です。

宗教が強い国だったら、その宗教を侮辱する事はやらない方が良いでしょう。

子供が残虐な方法で殺されるのをリアルに描く、なんてもタブーな国が多いでしょう。

つまり、誰も言って無いからそれはありだと言う訳では無いと言う事です。

絶対条件を打ち砕きたい子供は多いですが、それは難しいと理解するべきです。とても難しいので、並大抵ではない努力と知力と実力が必要になります。自分にはそれを壊せる知力と実力があると言う人は、まず勘違いだと思った方が良いでしょう。注意はしましたよ。

 

物語はテーマから作る必要は無いとさっき言いました。

普通はコンセプトから作った方が簡単そうですが、これも後になってからコンセプトを考えてもいいかもしれません。

コンセプトはブレない様にする手助けになりますが、始めにコンセプトありきだと逆に縛ってしまう事にもなります。

特に複雑な事をしようとすると、それが手かせ足かせになる時もある事でしょう。

しつこいですけどアニメ「ピンドラ」なんかはそうでしょう。

あとは二重になってる物語も簡単には収まらないですね。つまり裏と表、両方にコンセプトがある時もあると言う事です。これも「ピンドラ」や「エヴァ」や「書を捨てよ町へ出よう」等がそうでしょう。

等など、なんでも例外はあります。しかし物語を作って行って、どこかで一度コンセプトとテーマを考えて見る事は良いと思います。例え一度書き終わった後でもです。

 

この本「感情から書く脚本術」の中に、ウィリアム・サマセット・モームの言葉が引用されてました。

これで最高だと言えるのは、凡庸な作家だけである

良い言葉ですね。

そして本の中で「何回書き直したかは問題ではない」と言います。

つまり何度も書き直す事が必要だし、普通だと言うのです。

だからこそテーマとコンセプトを後で考えても良いのです。

そこから本当の物語制作が始まるのでしょう。