号漫浪正大

輪るピングドラム ~物語を見直す

11……

良い意味では、手堅いね。

悪い意味では、生命力がない。

 

アニメ「ワンダーエッグ・プライオリティ」11話見ました。ネタバレです。

 

まずは、気に入らない所から。

 

アクションなどに逃げずに、純粋なミステリーにしたかったのかもしれません。

それに最終話の前なので、一度暗く落としているのかもしれません。

にしても生命力が感じられない。

イメージで言うと、安楽椅子に座りパイプをくゆらせながら昔話をしているおじいさんが目に浮かびます。

 

テーマは「死の誘惑を乗り越えろ」と言うものになりそうですね。

そうだとすれば、もっと生命力溢れる感じを出すと、若者の感情に「生きろ」と伝わり、感動を生むのだと思います。つまり心に訴えかけれる。

しかし生命力が足りない。年のせいですかね?

つまり11話の内容はもっと弾けても良かったのじゃないのかな? と思っています。

前に言った様に、どうとでも出来たのが11話です。30代より若い人が11話を作っていたら、もっと違う物語になった筈です。

アニメに降り立ち卵を割ったつもりでいたけど、その外の透明な卵の殻にまだ包まれている事に、気が付いてない物語に見えました。

しかし逆に言えば「死の誘惑を乗り越えろ」と言うテーマでも、他のテーマがあったとしても、実はそれが言いたかった訳ではなく「野島さんはただミステリーをやりたかった」と言うだけな気もします。

こなれた上手さと、枯れた欲望の両方が、良くも悪くも見え隠れする物語だった気がします。

 

では内容の事を言います。

 

真実を見たいのならば、見える物など、どうでも良いのです。

見える物は、もう見えてるからです。努力はいらない。

今後、見える物はAIの方が上手く分析する時代が来る事でしょう。

だから見えない物を見る事が、人のする仕事になります。

もちろんそれさえもAIが追いつく日が来るでしょうけど、その時はまだ先なのでそれは次の世代に任せます。いや押し付けます。

と言う訳で、私は見えない物、もしくは見えにくい物を書いていきます。

 

見えない物「違和感」について書きます。

 

今回と言い、前回と言い、最後に近づき次々と情報が出て来ました。

キャラも名前も沢山出て来ました。

これはダメですね。

物語として、出す名前や情報はもっと前に出すべきです。

そしてその名が何なのか分からないが、何かを匂わせる。

それが最後の方で説明され、つながるからこそ感動を生むのです。

 

これはミステリーとしてもそうです。

ミステリーは人の名や情報は始めの方に出すのが絶対条件です。

密室殺人で「秘密の抜け穴があった」と最後の方に言われたらどう思うのか?

犯人は誰だ? と考えていたら、最後の方に始めて出て来た奴が「こいつが犯人だ」となったらどう思うのか? ダメですよね? 

謎解きとして、成立して無いのはつまらないのです。だからダメです。

 

つまり最後の方に怒涛の様に出て来る新しいキャラ、新しい名前、新しい情報、全てがダメです。

物語制作としても、ミステリー物としてもダメなのです。

 

これが「違和感」です。

 

下手な人なら分かります。こんなダメな事もするでしょう。

しかし上手い人が、こんな分かりやすり間違いは犯さない。

つまり魅力的な11話なんて、まともに信じてはいけないと言う事です。

それをこの「違和感」を出す事で、嘘の11話と言う事のヒントにしているのです。

 

では何が正解なのか? というとまだ分かりません。

ただ言える事は、今回の話が嘘だとしても、全て意味が無ければ今回やる意味が無いのです。

つまり嘘の中にも本当が隠れていると言う事です。

今回の出て来た内容の断片だけを見てみると、私が予測した内容でもまだ通りますよね? だからやはりそうなのかもしれません。

 

「ストレス解消の為に14歳として作られた子供」「14歳で謎の自殺をした子供」「子供を産むと同時に亡くなった母」

 

そもそも昔話がおかしい。

フリルが出て来ます。しかしひまりも出て来ます。

もし今回の内容がそのまま合っているとしてら、この二人を出す事は無いのです。どっちか一人でいい。

どっちか一人が「世間に向けて自殺者の背中を押す何かを残し、そして自分も自殺した」でいいじゃないですか?

同じような二人を出し、わざわざ物語を複雑にする必要が無いのです。

つまりそうしなければならない理由があったのです。

「一人の14歳がいなくなり、もう一人の子が出てきて14歳になる」としなければならなかった。

 

さて今回もお助けキャラが死にました。

前に言った様に、お助けキャラがワンダーキラーと同じ物なら、消えなくてはいけないのでしょう。

 

今回の題名「おとなのこども」

この「の」の使い方は「犬のこども」の様な使い方ではなく「日本のこども」の「の」だと思います。

 

ドットちゃんがトンボだったのは、いくつか考えられますが、まだ分かりません。

ただもしかしたら、小糸ちゃんにかかってくるかもしれません。

 

でもどっちにしてもあと一話です。いくら何でも足りなくないですかね?

たぶん、一見何が起きたのか? 何の物語だったのか? が分からないまま終わる気がします。そしてその終わり方が正解な気もします。

 

ちなみに「違和感」として、フリルの台詞どこかで聞いたような? と思っていたら、アニメ「ユリ熊」のるるじゃないですか。

そしてひまりと言う名の子も出て来ました。

どこかにイクニ信者が混ざってますか?

イクニメソッドだどダジャレが基本です。

frill フリル

flame 炎

frail 虚弱な、意志薄弱

お後がよろしいようで。