号漫浪正大

輪るピングドラム ~物語を見直す

目標と夢

サッカー関連の話を聞いていて、思ったことを書きます。

「目標」についての事です。

 

「目標」はサッカーだけではなく、仕事とか政策とか軍事とか、全ての事に係わってくることなので、大事なことです。

しかし日本には、この大事で基本的なことすらまだ浸透してないのが、サッカー関連の話ではっきり分かるので、書こうと思った次第です。

 

これは考えれば分かる筈だし、そもそも分かっているのでしょうけど、頭でまとまってないから、皆おかしな事を言うのでしょう。

よく考えれば分かる程度の事なのに、考える事になれてないから、馬鹿なことを言い続けるのです。

 

「目標」には「長期」と「短期」があります。

10年後にはどうなっているか? 5年後は? 1年後は? 今月の目標は? 今日の目標は?

これは当たり前であり、皆分かっているものです。

なのに、皆の意見を聞いていると、ごっちゃになって話している人がほとんどです。

たぶん分かっている人もいるのだろうけど、それを指摘する人を見かけません。

それは他人に説明できるほどに理解できている人が、ほぼいないからでしょう。

 

サッカーで言うと「8強を目指すというのはどうか? 優勝を目指すと言うべきじゃないのか?」という人がいます。本田圭佑さんもそうですね。

達成できない目標を掲げる人は、ただの馬鹿です。

例えば、普通の人が会社を今日作り「4年以内にトヨタを目指す」とか「4年後にはマイクロソフトになる」と言ってる人は、ただの馬鹿です。達成が不可能な目標は意味がありません。

まず目指す目標は、難しいが、頑張ればなんとかなりそうな少し上を目指すことが大事ですね。

 

「会社などで無理な目標を掲げると、どうなるか?」と言う問で、よく言うのが「誤魔化す人が出てくる」と言うことです。

例えば工場で「ミスゼロを今年の目標にする」などと言い出します。そしてその工場だとミスゼロは無理だとします。

そうしたら人は怒られるから、このミスを隠そうとしだすのです。

そして無いことになってるから、ミスがいつまでも直りません。

しまいに大きな問題になったりして、人が死んだりして、始めて明るみに出て、大損を被ったりします。

なので「無理な目標を掲げる会社は、ただの馬鹿です」

何を目標にすることが良いのかが分からない無能な人ほど「無理な位の事を、強く言っていれば良いのだ」なんて思っているのです。

それを掲げる無能は、会社をダメにしていくだけでしょう。

 

ただ「目標」とは別に「夢」というのもあります。

これは長期よりもっと向こうにあり、そもそも「たどり着けなくてもいい目標」を「夢」と、ここでは言います。

本田圭佑が言っている「ワールドカップ優勝」は「夢」です。目標ではない。

 

では「夢」はいらないのか?

いや、あっていいのです。

ただ「これはあくまで夢である」と分かっていて、ただの「方向性」として使うのなら、ありという事です。

例えば「犯罪の無い社会を目指そう」とか言います。これはありえない「夢」ではあるが「方向性」としたらあっていいでしょ?

だからあくまで「夢」として掲げておくべきものなのです。

 

あくまで「夢」と理解していて「ワールドカップ優勝」を言っているのなら良い。今では、本田さんなどは分かっていて言っていることでしょう。

ただ問題は「皆が分かっているわけではない」と言う事実です。

声え高に「夢」を唱え続けると、しまいに「本当かも?」と勘違いをしだすのが人です。

勘違いは間違いを犯します。

ザックの頃の本田圭佑はそうだったでしょう。優勝を自分で言い出し、しまいに自分を暗示にかけ、嘘を信じてしまったのです。

弱いのだと理解して、その上で結果を出すにはどうするのか? を模索するべきでした。

 

この「暗示を掛け、自分に嘘を付く」事は、効果が出る時もあります。

怖さや不安がなくなるから、良い結果が出たりしやすくはなります。

ただ「それがマイナス要素を出すのか?」をよく考えて、周りは調整するべきです。

ザックの時も結局は「守って反撃」すること位しか勝ち目がなかったのに、幻を信じたからダメだったのでしょう。

ただ、前に言ったように「弱いチームが勝つには、賭けに出る必要がある」ので、ザックの時はあれで良かったのかもしれません。可能性の少ない幻に賭けて、負けたのです。

 

さて、優勝は夢だと言いましたが、今は「長期目標」位にはなって来てます。

ただこれも数十年規模の「長期目標」でしか無いので、それを今言うのはおかしいし、今目指すべきではないですね。

 

サッカーで言うと「守ってカウンターで勝つ、と言う方法は未来がない」と言います。

未来はない戦い方ですが、今日本人は世界と比べ上手くないのですから、それしか無いじゃないですか。

今回は日本中の注目をあびました。それは強豪に勝ったからです。

それを出来ないのに無理をして攻めて、それで負けたら、誰も見てくれなくなります。

そうしたら、未来が無いじゃ無ですか。

泥臭くても、今回は勝つことが、未来に繋がる事だったのです。

そして未来に繋がり、本当に日本人が強くなったあかつきには、攻めるサッカーをするべきでしょう。

 

こんな「未来のない戦い方は嫌だ」という人がいますが、それは無い物ねだりです。嫌なのは皆同じです。森保監督ですらです。

出来る範囲で戦い、勝って、注目を浴び、そして未来につなげるしか無いのです。

 

まずは出来る目標を掲げるべきです。

しかし普通は少し上を目指します。

ただ、会社などでは出来る事を「実際に目指す目標」にして、もう少し上を「出来たら素晴らしい目標」にして、分けたほうが良いでしょう。目標と上位目標と分けて言っても良い。

普段使いなら、この2つあれば良いのですが、世間に示すパフォーマンスとしての目標なら話は変わっていきます。

スポーツなら「可能性はあるけど、難しい」位を掲げたりします。

パフォーマンスも含まれば、2つも言うわけには行かないので(つまらなくなるので)高く難しい目標の方を掲げるのは、しょうがないのです。

 

サッカーでは「8強を目指す」が目標でした。

これは難しく「50%もない目標」だと思いませんか?

絶対無いわけではないけど、半分もない目標です。

これはワールドカップが始まる前に、世界の専門家に聞いてみれば良いです。統計を取れば、日本が8強入りするのは、50%も無い事でしょう。

だから、これは目標とは言っているが「出来たら素晴らしい目標」の事であり、実際は「上位目標」の事です。

 

元代表選手の城さんが「目標も達成出来てないのだから、森保監督は辞めるべきだ」と言っているようです。

もう一度いますが、8強入りするなんて思ってた世界の専門化は、半分もいないことでしょう。だから出来て普通の目標ではないのです。

出来るなんて50%も無いと思われている事が、出来なかったので監督の責任で、だから辞めるべきだ、と言うのはどうでしょうか?

 

同じく批判的な事も言う本田さんは、内状が分からない事も理解していて、少しやわらかく言います。色々あるだろうから、分からないであまり好き勝って言うのはどうかな? という事が分かっていて、言ってるように聞こえます。

しかし城さんは、知りもしないで、ただ好き勝手言ってるように聞こえます。

同じ批判的な事を言う2人、本田さんと城さん、どっちが良いのかなんて、もう分かってますよね。

批判的な事を言うにも言い方があります。言い方を知らない人は、これからも、誰からも無視され続ける事でしょう。

サッカー監督で一流で無いと文句を言ってますが、コメンテーターか解説者として三流の事しか言えてない自分の事を、まず見つめ直した方が良いでしょう。

 

ただ本田圭佑さんの方も、まだまだ若いです。

短期と長期の目標と、夢と、ごっちゃになった物言いをしている時点で、まだまだです。

この有名だが若い本田さんに、ちゃんと説明が出来る年寄りがいないのが問題です。

そもそも、この辺の基本的なことすら言う人が見当たらないので、この国自体がダメなのでしょう。

 

「目標」には「達成できる目標」と「出来たら素晴らしい目標」があり、しかも「短期」と「長期」があります。

その他にも、方向性を示す「夢」もあります。

これらを、ちゃんと分けて考え、使いこなす事が、何をするにも大事なのです。