号漫浪正大

輪るピングドラム ~物語を見直す

歴史は繰り返す。

トマ・ピケティの本「21世紀の資本」の映画で、同じ名の「21世紀の資本」の感想です。専門家では無いので疑って聞いてください。

 

内容は、今の時代の貧富の差が大きくなっている事への警鐘です。

それを本ではたぶん細かく言っているのでしょうけど(私は読んでません)、映画ではそれの言いたい事を感情的に訴えるのと、他の学者などの意見をふまえての補完です。

細かな事は映像として流れて行ってしまうので言ってもしょうがないので、大まかな言いたい事を感情に訴えてるように見えます。この内容で映像化としたら、このやり方はあっているのでしょう。

しかしどうも心理的に自分の意見に持っていこうとしているのが見えてしまうので、うさん臭い内容に見えてしまいますね。

ただこうするしかなかった気もするので、しょうが無いですが、全てをうのみにするのではなく一つの意見として聞いた方が良いですね。

 

「全てうのみにするな」と言うと、私が部分的に間違ってると思っていると聞こえてしまいそうですが、そう言う事でもないのです。

言っている現在の世界情勢の事はあってると思います。ピケティさんが言った今後の事が(貧富の差を是正するやり方)出来るかどうかは別として。

でもあってると思っても、いや、だからこそ、魅力的に聞こえてしまってると言う事なので、疑って聞いた方が、皆さまには良いという事です。自分に都合が良い事ほど気を付けて聞くべきですね。

 

ピケティさんが言うには貧富の差が広がっているという事です。それが問題だというのです。

私は少しニュアンスが違います。「貧しい人がいるのが問題」だと思っています。一生懸命働いてたいしてお金がもらえない人です。

皆が貧しく感じないほどにお金をもらえ、強いストレスもなく将来に不安もなく暮らせれば、一部に大金持ちがいてもかまわないと思います。

ただ実際は一部の金持ちがいる事で、多くの人が苦しんでいる事になっているので、ピケティさんが言ってる事も間違ってはいないのでしょう。

この映画では言って無い事ですが、私としたらベーシックインカムが良いと思っています。最低保証です。でも、これはこれでやってみないと上手く行くかは分からないのが正直な所です。それに今の政権は絶対にしない。けど、今は無理でも五年から十年後は分からないですよ。覚えておいてくださいね。

この映画ではもっと強い累進課税と財産税が良いと言ってましたね。私もそう思います。これも今は無理でも数年後は分からないですね。特に財産税は必要でしょうね。

 

私は常々思っているのですが、日本は少し金持ちの雰囲気が違いますね。

アメリカなどは少数の大金持ちと貧しいのがいる、という構図ですね。

日本はそうでもない。ただ小金持ちが多くいる印象です。

この小金持ちもたちが悪い。なぜなら分かりにくいからです。

少数の大金持ちなら蹴落としてやれば良いだけですが(今の時代はグローバルに逃げていくので実際は難しいですけど)、小金持ちは一見分かりません。沢山いるからです。

例えば年収800万しかもらえない人が1000万もらっている社会を思い描いてください。その社会だと600万しかもらえない人が800万もらっています。400万の人が500万もらっています。1000万の人も一億稼いでいます。

そうなるとどうなるのか?

それ以下の貧乏人は働いても働いても楽にはならないのです。なぜなら上がもらえる金額より多くもらっているからです。

そしてその上の人さえも決して楽にはならない。なぜならもっと上の人が多くもらっているから、その分一生懸命働かなくてはならないからです。

これはピラミッドの上から下の人に向けて首を絞めているようなもんです。上から段々と下の人の首を絞めているが、自分も絞められている。なので「一番上の人以外、全ての国民が皆苦しいのです」これが日本の社会じゃないでしょうか?

皆が一斉に首を絞めてる手を離せば皆苦しくないのに、それが出来ないのです。これが「日本式ストレス社会」です。

これは江戸時代からの日本の知恵ですね。大名も言ってみれば一国の王みたいな扱いです。でもたまに江戸に行って将軍に頭を下げればいい。大名はその時以外は皆が頭を下げてくれるのです。だから大名も恩恵をこうむっている。だからこの制度を壊そうとはしないのです。大名だけでは無いですね。上から下に順々になっていて、この制度だと下の人には偉そうに出来るのです。だから皆が少しずつ恩恵をこうむっていて、だからこそこの制度は良いのだと続いてきたのです。

それで日本は小金持ちが多いのでしょう。

小金持ちでも、財産は土地も含めると一億以上の人です。そんな人が多いですね。

だからなぜ皆苦しんでいるのか分からないのが、この国です。

問題を分かりづらく誤魔化している国です。

それを打破する為には「財産税」が良いと思います。

 

この映画の中で面白い実験の事を言ってましたね。

コイントスで金持ちと貧乏人を決める。つまりランダムで決める。

それでゲームをする。金持ちは始めから持ってる金も多く、ゲーム内の行動も優遇されてます。サイコロを多く振れたり、途中止まったマスでもらえる金額が多い等です。

それでゲームをすると、金持ちは横柄になってくる。声が大きくなり、態度がでかくなり、お菓子をたくさん食べるようになり、コマを音を立てて進めるのだそうです。

そして最後にゲームに金持ちが勝つわけですが、なぜ勝ったのかを聞いてみると、誰も「始めのコイントスでたまたま運が良かった」とは言わないのだそうです。自分の実力だと言うそうです。

この分かりやすいゲームでも「運が良かったから勝った」と言わないのだから、実際の金持ちが「運が良かったので金持ちになった」なんて言う訳が無いですよね。

始めから親が金持ちは論外としても、平均すればより実力がある人がお金持ちになれるのは間違いないでしょう。

ただ前にも私が言った様に成功者が「金持ちになれる知識があったから起業して金持ちになった」と言うのなら、その子供も孫も起業して金持ちになれるでしょう。

親なのだから子供には誰にも教えないノウハウを教えるでしょ?

子供も孫も、金が稼げる会社を企業出来た人は「金持ちになれる会社を作れる能力がある」と言って事になりますが、誰ですか?

子供や孫に教えて、新たな会社を一から興し金持ちに出来ないのだとしたら、何を知っているというのでしょうか?

つまり「成功の法則」など、知りはしないのです。思ったよりは「運」が大事だと言う事です。

もっと細かく言うと「運」と「実力」の「掛け算」です。なのでどっちも無いと無理ですね。そしてどっちかがゼロだと、答えはゼロになるのです。

 

もう一つ、面白いと思ったのが「資本主義と生産性は今は同じではない」と言う事です。

今の資本主義が生産性を生んでいないと言う事です。つまり変えないといけなと言う事です。

例えば、土地を持っていて貸してお金が入ってくる。どこに生産性があるというのでしょう? と言う事です。

あとは今後はAIが仕事をしたりするので、人がいらなくなり金持ちは多くを雇わないで金が稼げると言う事です。だから貧富の差がもっと広がるだろうと言う事です。

 

そもそも資本主義なんて放って置けば、貴族みたいになるに決まってるじゃないですか。当たり前の事なのです。だから規制が必要なのです。

規制が無い世界で貴族が生まれた。だから規制が緩いと、リトル貴族が生まれます。

気を付けないと、貴族が世界から駆逐されたように、貴族みたくなった金持ちはいつの日か駆逐されますよ。

ただ、まだまだ時間はかかりそうなので、今の金持ちは死ぬまで逃げ切るでしょうけど。

 

どうも今の世界はまたバブルだそうですね。だからどこかで弾けるという人が多いです。アメリカ大統領選挙後の来年はどうなるのか?

ではその時金持ちはどうなるのでしょう? 大金持ちは分かっているので財産を逃がしておきます。周りが不景気になるのに、自分の財産は残す大金持ちはますます金持ちになります。

でもやりすぎじゃないでしょうかね? バブルがはじけて世界が酷い事になったら、多数の貧しい国民がどうするのか分かったものじゃない。金持ちは逃げれるのか? 引きずり落とされるのか? まあ見てみましょうと言う事です。

おうおうにして、現実は小説より奇なりになりがちです。

つまり未来予測は難しいですね。

「歴史は繰り返す」と言う人と「歴史は繰り返さない」と言う人がいます。どっちも正解です。「同じような事」は起きても「同じ事」は起きないと言う事です。

人は大して変わらないのだから「同じような事をしてしまう」と言う事と、「同じように見えても内容は違う」と言う事です。

さて、何が同じような事が起きて、何が違うのか? と言う未来の問題です。