号漫浪正大

輪るピングドラム ~物語を見直す

北朝鮮とウクライナの事 22年12月23日

今年も、もう終わりですね。

来年を占う為にも、現在の北朝鮮ウクライナの事を書きます。

ただの個人の感想です。

 

youtubeの「チャンネルくらら」と言う所で、自衛隊の元将官三人がウクライナなどの事を話す動画があります。

前にも言いましたが、他にないほどの面白さです。

 

ここに出ている人で、伊藤俊幸元海将と言う方がいます。

私は良く知りませんでしたが、この人、ただの自衛隊のOBでは無いようです。

外務省からの依頼で、カナダの軍事学校の「カナディアンフォースカレッジ」で日本周りの事で講演をしに行ったと言ってました(一か月前くらいの動画で、ですが)。

つまり、軍関係から今だに、何かしら情報が漏れ聞こえてくるだろう立場にいるかと思われます。

 

この伊藤さんが一か月くらい前の動画で言ってたのが「アメリカは北朝鮮との戦争を回避しようとはしてなく見え、煽って戦争にしてしまい決着を付けようとしてる様に見える」と言う事です。

この人が言うのだから、軍部からはそう見えるのでしょう。

 

私もアメリカや北朝鮮の行動を見てると、どうも怪しく思えていたので、前に「アメリカは北朝鮮に爆撃するかもよ」と言いました。

自分事で何ですが、この怪しく見える感覚があっていたのは良かったです。

私はこのブログで「皆が知らない情報」ではなく「皆が知っている情報からの考え方や見え方」を書いているので、感覚が間違っていたら、このブログで文を書く意味が無いからです。

 

ではアメリカは本当に北朝鮮を爆撃しようとてるのか? それは分からない。

でも確かなのは「最後は爆撃するのも考えてるし、出来る」と言う事です。

つまり状況がそろえば、実際に北朝鮮を消しに行く事でしょう。

 

確かクラウゼヴィッツが言ってたと思いますが「ちゃんと戦える軍でないと効果が無い」と言う事です。

つまり張り子のトラでは、脅す事も出来ないと言う事です。

だから実際にアメリカは北朝鮮を消せるし、状況がそろえば消してもかまわない状態を作り上げている事が素晴らしいのでしょう。

例え脅すだけであっても「最後には実際にやれて、始めて脅せる」と言う事です。

この「実際に最後はやるぞ」と言う事実が、軍関係者なら分かる今の状態は、アメリカが上手くやっていると言う事です。

 

これは北朝鮮の行動を見てると分かります。明らかに怯えた行動をとってますからね。

そう思って見ると、北朝鮮の最近の行動が分かると思います。

北のテレビで、ミサイル成功の報道をやらなくなった事。アメリカを刺激したくないのでしょう。

妙に多くミサイルを飛ばす事。これは本当に反撃されないように、ミサイル制作を急いるのでしょう。

他にも、金正恩の妹がよく脅し文句を言います。これも金正恩自体が言わないのがミソです。

これはロシアのメドベージェフ元大統領と同じですね。つまり脅し役です。

プーチン金正恩自体が脅すと、アメリカなどが本気にしたら困るので、脅し役を他の人に任せているのです。

最近金正恩の子供がテレビに出たようです。変でしょ?

これは、金正恩は子供もいる、人間味がある話が通じる人物だと言いたいのでしょう。子供もいるから戦争など望んでいない、とも見せたいのです。

これはいよいよ追い込まれてきた、と言う事です。

 

では今後どうなるか? はまだ分かりませんが、誰かの思惑やたまたまが重なり、アメリカが爆撃をやる事もある事でしょう。

ただ北朝鮮アメリカを気にしている行動を見てると、爆撃しないで終わらせる可能性の方がまだ高いでしょう。

たぶんアメリカの大統領選挙で、バイデンが負け時に、朝鮮で動きがあるのかと思います。

 

さてウクライナの事です。

相変わらず、ゼレンスキーのパフォーマンスは上手いですね。

世界にあきられたら負けです。これからも注目され、援助がないと生きて行けないからです。

だから、ちょこちょこ気になる情報を、ウクライナ側は出して言ってる様に見えます。

とにかく飽きられないように毎日更新しろ、と言うインフルエンサーの定石をちゃんとやってるのが面白いですね。

 

キエフ方面をまたロシアが攻めるのじゃ無いのか? と言われています。

これがウクライナ側からの情報なのが面白い訳です。

もちろんウクライナの取ったら、死活問題なので「だから援助をもっとしてくれ」と言うのは間違っていない。

しかし、この情報はロシアさえも望んでいる事でしょう。

 

私はキエフ方面からロシアが撤退する時、少し残すだろう、と思ってました。

ただ実際は全て出て行きましたね。

これは町のヘルソン撤退時と同じで「残った方が良いだろうけど、その余裕もない」と言う事だと思います。

 

ロシアが北に残った方が良かった理由は、北の方が気になり、ウクライナは軍を残さなければならなくなり、東南に軍をあまりやれないから、そうするだろうと思ったのです。

しかし今回のやり方の方が上手いですね。

まずロシアに取ったら、脅すだけで北にウクライナ兵を張り付かせれるからです。

 

ただ、前に言った様に「張子の虎では脅す事も出来ない」のは事実です(正確には「長くは欺けれない」と言うことですが)。

だから本当に軍をベラルーシに置いてあるのでしょう。

そしてウクライナに油断があれば、攻めて行く筈です。

もちろん本気ではありません。

ちょっと出て行って、反撃がありそうだと、すぐ戻っていく事でしょう。

でもそれでいい。それでウクライナは兵を置いとかなければならないからです。

ウクライナは見た目より広いので、北の所から南東に行くには大変ですから、ここに兵を張り付けておくだけでロシアには時間稼ぎが出来るのです。

 

でもそれはロシア側も同じだろう? と思う人もいる事でしょう。

これを考えるのには、この戦争が非対称であり、今までない不思議な戦争なのを頭に入れておく事が大事です。

ロシアは出て行けるが、ウクライナはロシア側に入っていけない、と言う事です。

つまりロシア兵には、ロシアに入れば安全だと言う事です。

更にそこから進めて、ベラルーシに入ってしまえばもっと安全だ、と言う事です。

ロシア領も少しずつ攻撃をされてますが、ベラルーシ領攻撃はまだ無理でしょう。

 

ロシアは士気もなく、新兵が多いようです。

それをベラルーシに入れて練習させておく。

練習もかねて、ウクライナ側に出て行ってドンパチをする。

しかし反撃が強く来そうだと思ったら、戦わずすぐにベラルーシに逃げるのです。

それだけで、強くもなく士気もない兵が、戦える兵を張り付けておく事が出来るのです。

 

ウクライナ側は守る方なので、戦える部隊じゃないといけない。もし弱かったらロシア軍が南下してくるからです。

でもロシアは本気で戦わなくていいので、弱い新兵の寄せ集めでいいのです。

 

普通はこんな事態はないです。

弱い部隊がいたら、そこを攻められてやられてしまう。

しかしロシアには安全地帯があるので、そこに逃げてしまえば、弱くても攻撃されないのです。

 

たぶん始めはベラルーシから直接南下してくる筈です。

その後ゼレンスキーは「直接ロシア兵を出してくるベラルーシも、参戦したとみなす」等と言う筈です。

その後ロシアはベラルーシから一度東に行きロシア側に出て、そこから南下してくる筈です。そしてまた逃げ戻るでしょう。

それで二回はウクライナに嫌がらせと時間稼ぎが出来る事でしょう。

 

普通は時間稼ぎなど意味が無いものです。

しかしプーチンに取ったら死ぬまでの時間稼ぎなので、何かと時間が稼げたら良い事でしょう。

世界が戦争に飽きるのを待っても良い事です。

 

で、結局「ロシアがキエフを狙うぞ」と言う情報は、ウクライナにもロシアにも良い情報なのです。困った事態です。

 

 

今年も最後です。

私もそうですが、間違える事は誰にでもあります。

大事なのは、間違った時に「なぜ間違ったのか? どこを間違ったのか?」を考える事です。

ロシアが戦争をふっかけた始めの頃「ロシアは三か月しか持たない」とか「冬までしか持たない」とか言われてたと思います。

しかし今年も終わろうとしていて、もはや誰も「ロシアは長くは持たない」と言わなくなりました。

逆に「長期戦になりそうだ」と平気で皆言うようになりました。

間違いは誰にでもあるにせよ、あの初めの頃の「ロシアは持たない」と言っていた人は説明をするべきです。

 

この、間違っても、まるで無かったかのように振舞って済んでしまう世の中の方が、私は怖いです。

今年の事でみんなが何を言ってたのか? その総括をしないまま、今年も終わりそうです。

その総括をしない人達は、来年になったら心機一転、まるで何も無かったかのように来年も好き勝手なことを言っていくのでしょう。

 

 

2022年 12月26日 追加

 

今更、こんな所に追加しても誰も気が付かないだろうけど、ちょっとなのでここに足します。

 

ウクライナ側が2月の一周年に停戦するように話し合う、と言うニュースが出てきてます。

普通に考えたら、プーチンが「私は停戦してもいいのに、ウクライナアメリカが止めない」と五月蠅く言うので、世間体の為にも「ウクライナ側も停戦交渉の用意はある」と言っておく為でしょう。

だから、あてにしてはダメです。

 

ただ停戦するとしたら、どんな内容か? 考えてみます。

 

これは双方とアメリカが呑み込める内容を、提示できるのか? と言う所がミソです。

言い方を変えれば、どちらかが、負けたと思われる様な妥協が必要だと言う事です。それを飲み込むのか?

 

はっきりいって、今のウクライナが押している段階では、ロシアが納得する提示を、ウクライナが出すとは思えません。

ただ、あと一何経ち、それでもこう着していたなら、ウクライナが妥協するかも知れない。

そこで私が思う、未来において双方の妥協点を予測します。

 

アメリカとウクライナは、ルガンスクとドネツク全土の国家独立を認める。そしてクリミアのロシア併合を認める。

ロシア側は他の所からは出て行く。そしてウクライナ領内のNATO軍の進駐を求める。

こんな所でしょう。

 

ルガンスクとドネツクを独立させてしまう事は「ロシアには取られてない」と言う苦肉の策です。

ただクリミアは取られてしまうのだけど、これも含め「戦争前にほぼ戻す」と言う事です。

これではウクライナ側は気に入らないでしょうけど、ならずっと戦争が続く事になるだけです。

戦争前に戻せれば、一応の戦果にはなり、双方の妥協になるでしょう。

独立を認め、クリミアを諦めれば、国境紛争がないと一応は言える。だからNATOに入る条件もそろう。

NATOは、戦争が終わってほしいだろうから、紛争が無くなる事を条件にすれば、ウクライナNATO入りも認めるのじゃないだろうか?

その為にも、国境紛争が無いと言う、言い訳が必要でしょう。

 

ロシアにしてみれば、結局同じ領土だけど、ルガンスクとドネツクが虐げられているから戦争をしてと言ってるので、とりあえずは体裁が保つ事でしょう。

 

ただ結局はプーチンが欲しい物が手に入ったのか? が大事です。

国を取ってしまうと言う内情が出来ていれば、プーチンの成功だと思うのです。

その時は、この程度の妥協もしてくる事でしょう。

そもそも、プーチンにはウクライナの戦争など、どうでも良い事ですからね。

 

ただアメリカもまだやめてほしくはないだろうから、たぶんですが、まだ一年は続く事でしょう。

ロシアにも、ロシアから離れられない中国にも、弱って行って欲しいですからね。