号漫浪正大

輪るピングドラム ~物語を見直す

パウロ・ベント監督

2022年 11月 29日

 

私はサッカーの事も、ド素人です。

そんな私が、ワールドカップの事を書きます。

なので、疑って聞いて下さい。

 

日本戦が全て終わり、総括として思った事を書こうと思っていました。

しかし書かなくてはいけない事があったので、書いときます。

 

韓国 対 ガーナ 戦の事です。

この試合で、韓国は負けました。

最後コーナーキックのタイミングで、終了のホイッスルが鳴りました。

そのタイミングがおかしいと、終了後、韓国選手が主審に詰め寄っていました。

この後、ベント監督が主審に抗議(怒鳴ってたように見えました)、それでレッドを貰い、一発退場です。

これで監督は次戦ポルトガル戦で、ベンチに入る事は出来ません。

 

このベント監督の行為、軽薄だと思っている方もいると思うので、私が説明しようと思いました。

 

試合終了後、初めは一人くらいが主審に言い寄ってました。

次映った時は、数人が主審の周りに集まり、囲むようにして抗議をしてました。

その後に監督が近づき、そこで怒鳴ったように見えました。

それで監督にレッドが出ました。

 

もう判定など変わらないのだから、抗議など意味はありません。

しかし数人が詰め寄っている。

このままだと、選手がイエローかレッドを貰うかもしれない。

だから止めないといけません。

しかしです。監督はあれを止めてはいけないのです。

それは選手の行動を否定する事ですし、プライドを傷つける行為です。

ましてや外国人監督です。

止めたら「所詮外国人だから、俺らの気持なんて分からない」と思われる事でしょう。現に一人ではなく、数人が詰め寄ってたので、あれこそが韓国流です。それを否定してはダメなのです。

では、どうすればいいのか?

それは、監督自ら、誰よりも怒るのです。

 

人は、怒ってる時に、隣の味方が自分よりとても大きく怒っていると、覚めるものです。「まあ、まあ」と言いたくなります。

ちなみに、泣いている時もそうです。自分が泣いてても、隣の奴が号泣してると引くのが人なのです。

だから監督が誰よりも強く怒る事により、周りの選手は我にかえる。

それに代弁してくれたのもあり、納得するのです。

 

だから監督は、わざわざ後から近づいていって、誰よりも強く怒ったのでしょう。

あの行動はあっているのです。

 

ベント監督はポルトガル人です。

ブラジルワールドカップの時の、ポルトガル監督だったようです。

その時は、グループリーグ敗退でした。

 

ベント監督の選手の頃の最後あたりで監督をしてた事があったのが、今のポルトガル監督だそうです。つまり知り合いです。

それにwikiによると、若かりし頃のクリスティアーノロナウドの面倒を見ていた時もあるようです。

つまり、ベント監督は、自分のチームが、自国であり強国であり知り合いがいるチームと対戦し、結果を見せるチャンスだったと言う事です。

 

ポルトガルはグループリーグで二勝し、もう突破してます。

つまり、もう負けてもいいので、次戦の韓国戦は手を抜いてくる事でしょう。

だから勝てる可能性があるのです。

そして今回こそグループリーグ突破をはたせそうなのです。

 

ポルトガルがグループリーグ突破がかかっていれば、ベント監督も複雑な気持ちだったでしょうけど、もうその必要はない。

自分が知っている、ポルトガルの全ての情報から勝ちを狙える。

この勝負を誰よりも楽しみにしてたのは、ベント監督でしょう。

しかしベンチに入れなくなりました。

 

もしポルトガルに勝ち、その上グループリーグ突破が出来れば、前回できなかっただけ嬉しい事でしょうし、だからこそベンチにいたかったでしょう。

もし負けて、それで最後の試合になってしまったとしたら、それもベンチにいられなかった事が後悔を生む事でしょう。

どっちにしても、ベンチにいられないのが一番残念なのが、ベント監督なのです。

 

ベント監督はレッドをもらった。

だからポルトガル戦はベンチに入れません。

しかし、それで選手とチームを救ったのです。

ベント監督の行為は、賞賛に値すると思います。

 

 

ちなみに、どんな理由があれ、主審が怒鳴られる筋合いはない。

主審は、怒鳴られた時にレッドを出すのは当然ですし、それをしなければならない。

だから、主審の行為は、判定も含め、非難される筋合いはありません。

 

なので、主審の事も、監督の事も、どっちの悪口を言うのもやめてほしいのが、私の意見です。