22年 5月 5日
暖かかったので、散歩をしました。
色々ありまだピンドラの映画は行けてませんでした。
ネット見ると、明日から池袋の映画館の上映場所が広い所になりそうなので、それから行こうと思っています。
昨日ふと、そう言えば映画「書を捨てよ町へ出よう」の都電の撮影場所はどこだろう? と思い、ネットで調べました。
寺山さんは早稲田大学に入り、あの辺に住んでたようなので、たぶんあの辺だろうとは思っていました。
映像の風景を見ると、家が線路から近く道が入り組んでいるようだったので、新目白通りからもっと上がった所かな? と思っていました。つまり早稲田より池袋よりです。
しかし実際は新目白通りから明治通り沿いに曲がった所だったようです(始めの方で主人公が長々走ってる場面)。
あそこは知っている所だから分かると思ってましたが、思ったより景色が変わってたのですね。
いやあ、あの映画中のブルーバードの看板、気になったんだよね。今も日産の看板は残ってましたね。知ってたのに気が付かなかったなあ。盲点でした。
(追加、曲がったあたりの向こうに見える、鉄筋コンクリートの建物。端の上が建築基準法上斜めになっている建物で、この頃ではひときわデカいですね。グーグルマップで見ると、今もあるマンション高田馬場でしょう。裏に隠れて分かりにくけどね。
新目白通りって、この頃まだなかったのですね。歴史が感じられます。
チンコ型のサンドバックぶら下げている外の場面。紀伊国屋前だそうです。今と建物同じですね。この頃ってすごい人通りです。
その前の階段前でマリファナ吸ってるような場所は、JR新宿駅東南口広場と地図にあります。始めて名前知りましたけど。この駅の近くはまだ古臭いです)
何十年ぶりかに都電荒川線乗ってみようと思い、池袋のはずれから乗り、終点早稲田まで行ってみました。
まだ「チンチン」って鳴るのですね。昔はチンチン電車って呼ばれてましたね。
それにあの遊園地の乗り物感、ちょっと感動しました。思ったより乗ってるだけで面白いですね。
いや、別に遠くに住んでいる訳ではないので、いつでも乗れたのだけど、逆にいつでも乗れるから乗らないで生きてきました。しまったなあ、結構ただ乗るだけで感動します。これこそ今風なスローライフですね。
あの線路に草が生えてる所とか、急なカーブでガタガタ揺れる所とか面白いので、まだ乗ってない人は乗ってみて下さい。
さて、早稲田駅まで付いて、降りて池袋まで歩いていきます。
新目白通りだから、車道の真ん中を都電が走ってます。そして外側には歩道ももちろんあり、更に外側にあるのが神田川ですね。
近くに早稲田大学に都電に神田川。確かに味があります。青森から出て来た寺山さんにとっても、印象深かった事でしょうね。
そして明治通りにぶつかり線路は曲がります。
そう言えば学習院はこの辺でしたね。
41年生まれの宮崎さんと35年生まれの寺山さん。つまり寺山さんが入学した六年後には、宮崎さんもこの辺を歩いてたのですね。
調べてみたら、その時はもう寺山さんは退学してます。しかしたぶんその頃、早稲田通りあたりに住んでいたようです。
だから知らずに、寺山さんと宮崎さんはニアミスしてたかもしれませんね。
学習院あたりから登って行くと(ここは坂が長く自転車だと疲れます。今はもう乗りませんけど)、鬼子母神がありますね。
鬼子母神ってピンドラの陽毬(ひまり)の母を思い出します。映画だとどうなるのでしょうね?
なぜピンドラを思い出すかと言うと、寺山さんと宮崎駿さんが関係しているアニメだからです。そして池袋も関係している。イクニさん意識してたか? してなかったか? 分かりませんが、あの辺を歩いてみて気になってしまいました。
池袋まで来て、サンシャインまで来て見るとコスプレのイベントか何かしてましたね。
あれもよく考えると「皆が主役になれるイベント」だと思えました。
元が二次元なのに、一方的ではなく自分を魅せようとするイベントですからね。
意外と面白い可能性があるよなあ、と思えました。
ああ、あれを寺山さんが見たら、何かしらイベントを考えてやってみせるだろうと思えて仕方がなかったですね。
あの人こそ、ただの一方通行ではなく、最後は皆ただの脇役ではなく自分を意識できる物を出そうとする人だと思います。
そして今日あの辺には舞台あいさつにイクニさんも来てた筈です。
イクニさんが何を思ったのか? 思わなかったのか?
前に私は「天才幾原」さんも、寺山さんの前だと「すごい人幾原」さんになると言いました。
この画面も超えた向こうに直接影響が与える物に気が付くかどうかで、寺山さんの映像以外の天才性に近づくと思うのですが、どうでしょうか?
(多分ですが、映像的なものだとイクニさんの方が既に優れているでしょうけど。年齢や時代や今までやってきた仕事内容も含めると、そうなります)
さて、話はずれますが、寺山さん宮崎駿さんイクニさん。これらを考えると出て来るもう一人、庵野さんの事が頭に浮かびました。正確にはエヴァの事ですが。
エヴァの音楽、クラシックが使われてました。
あれは神々しい感じがでるし、良い発明ですね。
しかしベートーベン交響曲第6番が無いじゃないですか! あれはたぶん失敗です。
しかし新映画版だと「翼をください」を使いますね。あれは正解です。
あの歌、昔から教科書にも載っているのでもちろん知っているのですが、私は個人的にあまり好きではありません。
言葉の内容だとよさげな事を言ってましたが、どうも「狂気」が感じられるからです。しかしその意味は、ずっと分かりませんでした。
エヴァだとこの「狂気」があっています。だからピッタリですね。
調べてみたら、あの歌はフォークグループ「赤い鳥」が1971年に出した曲なのですね。
今だと分かりませんけど、あの時代に「赤い鳥」と聞けば「左翼」を思い描かない訳が無いし、そう聴こえると分かっていて付けたのでしょう。
映画「書を捨てよ」が71年です。そしてこの映画の中でも、飛ぶことを願ってました。そして飛行機が最後燃えてましたね。
70年に「よど号事件」です。赤軍がハイジャックして北朝鮮に亡命する事件です。
71年の寺山さんは、もちろんこれを意識して映画を作ってます。だから燃えているのです。やってる事が嘘っぱちだと言う事です。
そして同じ71年に「翼をください」を「赤い鳥」が出すのです。
そして「富とか名誉とかいらない」と言って「大空に飛んでいきたい」と言うこの歌詞を当時の人が聴いて、よど号を思い描かない人がいただろうか? たぶんわざとだと思います。
(富とか名誉はいらない、と言う二番の始まりの歌詞はシングルレコードだと省略されたようですね。これもわざとでしょう。いくら何でもこれはまずいだろ、と偉い人が止めたのだと思います)
つまり「書を捨てよ」と「翼をください」は時代的に同じであり、同じような感覚から出された物であるが、逆の意見でもあるのです。
そしてこの音楽に、私が子供心ながら「狂気」を感じ取っていた事では、昔の自分を褒めたいですね。
左翼化を願う歌とも聞こえるのがこの歌です。
だからこそ、サードインパクトに繋がる歌なのです。
と言うのを散歩しながら思いつきました。
たまには散歩も良い物ですね。
そう言えばピンドラの陽毬役、荒川さんて、荒川線から取ったのかな? 違うか。暗喩病かな?