号漫浪正大

輪るピングドラム ~物語を見直す

プーチンの狙い

22年 3月 7日 1時ごろ

 

ウクライナの事です。個人の意見です。参考程度で聞いてください。

 

プーチンは信用できない。おかしなやつだ。と世界が気づき始めましたね。

もちろん知ってる人には、元々分かってたことでしょうけど。

なのにプーチンの言葉を鵜呑みにしてる人が多いです。なぜでしょうか?

 

プーチンが望んでいることは何か?

それは「隣国にNATOが来てほしくない」だと言ってる人が多いですね。本当にそう思いますか?

これはこれで合ってるような気もしますが、理由の方が大事です。でも理由を言う人があまりいない。

理由を言わない人は「わざわざ言う事もない理由だ」と言いたいのでしょう。つまりプーチンは怖がっているのだと思っている。

そして理由を言う人も「プーチンは怖がっている」と言うので、理由を言う人も意見は同じです。

で、何が怖いの?

 

そもそも日本もアメリカも隣国です。まあ確かに海を隔てているし、モスクワからもかなり遠いい。

ではバルト三国は? もう隣国にNATOいるじゃないですか。

そもそもなんでNATOが隣国にいるのが嫌なのだと思うのだろうか?

じゃあ元ソ連で、ロシアと同じくらいやばい独裁国家ベラルーシはどうでしょうか? NATOの隣なので戦々恐々で暮らしているとでも思っているのか? ベラルーシなんか大統領選挙のライバルに毒持ったりして、独裁者が元気いっぱいに面白楽しくやってるじゃないですか? ベラルーシは国の外は何も怖がってはいない。

昔じゃないのだから、NATOがどんなに強くても攻められる事なんかない。だから何も怖がらないのです。

だからロシアにとっても、実は何も怖くはないでしょう。

いやそれでも怖いというのなら、ロシアもNATOに入ってしまえばいい。そうすれば強大な敵なんか、この世からいなくなるのですよ。

 

ただ、可能性の一つとして「意味はないが、隣国にNATOが来るのが、生理的にプーチンには嫌なんだ」と言う事もなくもない。

これは理由もなく「ユダヤ人は滅ぼさなければならない」と思っていたヒトラーがそうでしたので、なくもない。

つまり論理的なものはどこにもなく、感覚的におかしいやつだ、と言うことです。イカれているという事です。なんとなく嫌なだけで戦争を始めるやつだからです。

しかし例えば殺人事件があったとする。もしかしたらおかしな奴が通り魔的な犯行で行ったのかも知れない。だがまずそこから始める警察はいない。強盗か強姦か怨恨かと調べて、その他として通り魔も考えるでしょう。

つまり例え可能性があっても、始めから「これはおかしなやつの思いつきの犯行だ」で終わらせるやつはいない。

だからプーチンの事もそうです。例え可能性として「理由など無くなんとなく隣国にNATOが来ることが死ぬほど嫌なんだ」とあったとしても、それ以外の可能性も考えておく事が大事です。

 

さっきNATOにロシアも入れば敵がいなくなる、と言いました。しかしだからこそNATOに入らないのではないでしょうか? つまり敵がいなくなるからです。プーチンに必要なのは「敵」なのです。

敵がいるからこそ、味方がまとまる。敵のNATOは相変わらず危ない奴らだ、と国内の古い人達に訴えれる。そしてだからこそ強い国である事が必要であり、だからこそ強いリーダーが必要であり、だからプーチンが必要だ、と思わせたいのでしょう。

昔から敵を外に作ることで、国内の問題を誤魔化し、国内でまとまらせるやり方はもはや定石です。

(この当たり前が可能性の一つとして出てこない時点で、日本には軍事も政治もプロなんかいないのじゃないのか? と思ってしまいますけどね)

(軍事的な事だけではない。韓国の日本バッシングもそうです。韓国もイラクフセインプーチンもやってる事は一緒です。そして調子に乗って相手を本気にさせてしまい、ヤバそうなのも一緒です)

だからプーチンには敵が必要なのです。それがNATOです。

 

ただNATOは強すぎるから戦えない。なので他の敵が必要です。それがウクライナです。

なぜウクライナか? ロシアが陸軍国だから隣国でなければならず、自分より弱く、クリミアなどでもめている国じゃないと喧嘩が売れない。だからウクライナしか無い。(ジョージアチェチェンも、もうかなり叩いたのでこれ以上たたいても効果がない。だから他の敵が必要です)

この敵国の選び方、イラククウェートを攻める敵として選んだ理由と同じでしょう。(ちなみにアメリカは海軍国であり、世界の裏側に軍を送れる世界最大の軍事大国なので、どこにでも喧嘩が売れる怖い国です)

しかし、ウクライナNATO入りしてしまったら喧嘩がうれない。だからNATO入りを嫌がるのです。

そしてNATOに入ってしまう前に喧嘩を売っておく必要があった。だから今攻撃に出たのでしょう。

 

ロシアは軍事大国だと思ってる人が多い。

確かにそうだとも言えるが、GDPが大した事がない。だからかなり無理をしている。

そして段々他国が強くなっていって、そろそろバカにされていく事でしょう。

だから「NATOを増やすな」と言うロシアの意見など西欧は聞かないのです。経済で言うとドイツやフランスやイギリスなどにはかなわない。だからこの国らが、いざとなり軍備に税金を使う割合を高めたら、ロシア以上の軍事大国にすぐになる。

ロシアが怖いのはもはや核がある事くらいです。でもフランスにもイギリスにもあるのだから、何もすぐれてなんかいないのがバレている。だから無視されるのです。

日本だってGDPまだ世界三位です。これから段々順位は下がっていきますけど。でも無理をすれば核だって持てるし、ロシア以上の軍事大国にはなれると言う事です。だからロシアを怖がっている人がいるのが、よくわからないけどね。

しかし中国は違う。アメリカを超えてくる。軍事費だって日本の何倍も既にあるので、脅威は中国ですね。

だから最近無茶をやり出してる中国に、好きにさせてはいけない。だけど個人や会社は、こちら側の経済圏に取り込む必要がある。そうすれば軍事に出れば個人が損をすることになるので、やらなくなる。平和で金儲けをしてるほうが、個人は得である事を中国人に示せれば、馬鹿らしくて戦争などしないのです。

ちなみにインドも中国を経済で追っていくし、インドネシアも日本を超えていく。だから日本の地位は下がりっぱなしだけど、ロシアもそうです。(研究機関によれば日本は世界四位に残るともありますが、私はそうは思っていません。ただ未来のどこかで急激に国の意味が薄れていく事は考えられ、そう考えると国別順位は意味が無いかもしれませんけど)

 

そして、どうやらロシアはウクライナを分割して、南に国を作るつもりだそうです。ノヴォロシアだそうです。

この国の構想だと、ウクライナだけではなく西のモルドバの一部も入っています。なぜか? それはそっちも、もめたいのです。

もしウクライナで上手くいったら、それはそれでまた敵がいなくなる。しかしプーチンは敵がほしい。だからモルドバにいちゃもんを付けて「そっちも我が国だ」と言って戦争をふっかけたいのです。よくやる。

 

まとめると、プーチンNATOが隣国にきてほしくないのは正しいでしょう。

でも怖いのではなく、戦えないからです。敵がいなくなる。

隣国に味方がいなくなり困るのではない。(こう思う人って、いつの時代の感覚なのだろう? 冷戦から脳が凍って止まってはいないのかな?)

もちろん自国に示しがつかないのもある。敵だと言っているNATOが隣国に来るのを、みすみす許す弱いロシアであってはならないからです。

そしてNATOは敵だと言いたいのもある。NATOは東に攻めてきている。我々を脅かしている。だから我々はまとまり戦わないといけない、と言いたいのです。

 

結局プーチンが怖いのはNATOではない。

国で言うと、プーチンが怖いのはアメリカぐらいです。

アメリカはベトナム枯葉剤をばらまく恐ろしい国です。

地球の裏側の国まで攻めて言って、そこの最高権力者を捕まえ殺せるの国は、アメリカだけです。

最高権力者は地上軍でないと捕まえられない。これは元々定石ですが、フセインでもビンラディンでも証明されました。だから他国に地上軍を展開させなくてはいけない。それを海を超え外国に軍を展開出来るのがアメリカのみです。(ちなみに空軍でも海軍でも無理なのだが、核爆弾だけは別です。これだけが地上軍いらずで最高権力者を殺せる兵器です)

アメリカが動かないとなると、プーチンが怖いのは自国民だけになります。

 

プーチンが「NATOを隣国に置くな」などと言ってる事を、真に受けてる人達ってなんなのだろう? プーチンの言葉を信じているのか?

もちろん私の考えが合ってるとしたら? になりますけどね。

でも合ってるとしたら「ウクライナに傀儡政権を」などと言うのもバカな話なのかもしれない。そんな事を望んでいないというプーチンの言葉は、本当かも知れない。

でも南には傀儡政権の国を作る気か、ロシアに編入する気でしょう。

そこを足がかりにモルドバに喧嘩を売るのです。その頃にはプーチンももう寿命でしょう。

 

ただどうも南に国を作るというのも、分からなくなってきました。

しかし、もし国が出来たなら、そしてプーチンがロシアで失脚しなかったら、完全にプーチンの勝ちです。

それでロシアがどうなろうともです。

ロシアの勝ちなど、そもそもないのですから。