ちょっと漠然とした考察です。勘弁です。
ちなみに「セロ弾きのゴーシュ」は読んでません。wikiの情報がほぼ全てです。その程度です。
暗喩物語の巨匠、と最近思えて来た寺山修司。
彼の戯曲「奴婢訓」の登場人物の名前が、宮沢賢治の物語の登場人物の名前になっています。
これは何か? は分からない。
ただ宮沢賢治が気になっていたのは確かです。
寺山さんの戯曲には「星の王子さま」と言うのがあります。内容は元の「星の王子さま」とは全然違います。しかしこれも寺山さんは「星の王子さま」が気になっていたのは確かです。
ではこの二つの共通事項は何でしょう?
最近の暗喩物語の巨匠、だと私が勝手に思っている人、イクニさん事、幾原さんの事です。
イクニさんは寺山修司が気になっているのは間違いがないが、彼のアニメの中でも宮沢賢治作品や星の王子さまの事を言います。
これは寺山修司から取ったとも言えますが、それだけではないでしょう。
つまり寺山さんが気になっていた理由が分かっていた気がするのです。
サンテグジュペリ著「星の王子さま」を一年前位に、今更読んだ私は、この物語が暗喩物語だった事に気が付きました。*1
つまり寺山さんも「星の王子さま」の暗喩に気が付き、面白がっていたのだろうと思います。
だとすれば、宮沢賢治が気なるのも同じ理由かと思いました。
確かに「銀河鉄道の夜」にも一見分からない謎メッセージがありました。「ジョバンニとカンパネルラは実在の同じ人物の名前から取ったようだ」と言う事などです。*2
宮沢賢治も暗喩的な物や謎メッセージを、物語によく入れる人だったのでは無いのか? と思えてきました。
寺山作品の「田園に死す」の冒頭当たりで出てくる、赤い池の上でチェロを弾く男。これが「セロ弾きのゴーシュ」の暗喩ですね。
そしてゴーシュは「左」の意味で「不器用」等の意味に繋がるようです。そして「左」から「左翼」の意味もあるようです。
つまり「田園に死す」で「ゴーシュ」は「左翼」を表し、この映画は左翼関連の物語だ、と言う事を表してます。学生運動の頃なので、左翼が身近な問題だった頃です。
ちなみに、寺山さんと同じ年の高畑勲さんも「セロ弾きのゴーシュ」をアニメでやっています。この人もこの物語の暗喩に気が付いた人だと思っています。高畑さんも左翼的な人物でしたからね。ただ危ない左翼ではなく、健全な左翼思想の人だったと思います。左翼自体は悪くは無いのです。
さて寺山さんも高畑さんも「ゴーシュ」が左翼だと思ったのでしょうけど、そもそもの宮沢賢治自体がそう思い書いた物語だった気がしてきました。
つまり宮沢寛治自体が暗喩物語を書く人で、だから寺山さんが「星の王子さま」と同じくむ宮沢賢治作品が気になっていたのでしょう。
では何の暗喩なのか? そしてゴーシュは誰なのか?
引っ張ってもしょうがないので、私の答えです。
ガンジーです。
(wikiを参考にするとガンジーではな「ガンディー」とあるので、ガンディーと今後書きます)
ゴーシュは「第六交響曲」を練習します。これは実在のものなので分かります。ただどの人が書いた第六交響曲かは書いてないのですが、たぶんベートーベンの「田園」でしょう。
しかし「印度の虎狩」という実在しない曲も弾きます。この名前、不自然過ぎません?
この時代1930年頃の印度で、トラの様な強い敵、イギリスと戦う人となると、ガンディーになるのです。
ガンディーは左翼ではなさそうだけど、何も所有しないとか左翼的な行動を勧める人だったようです。だから「思想が理想に近い左翼」と言う意味で宮沢賢治は気に入り、この物語を書いた気がします。
ちなみに宮沢賢治も国柱会と言う右翼の集まりだと見られていたものに入っていたようです。国柱会は右翼的なのかもしれませんが「理想は平等な社会を作る」と言う所にあったようで、基本は別に悪くはないようです。
つまり右翼だろうが左翼だろうが「基本は平等」と言う考えがある一派もあると言う事です。左翼は平等と言いながら旧ソ連や中国も平等には見えないですよね? それと同じで右翼だって「平等」と言う考えはもてると言う事です。あとは何が平等なのか? が違うだけですね。「スタートが平等で同じなら、そこから差が付こうが自己責任」と言う考えも「平等」にはあると言う事です。
ゴーシュはあまりよろしくない人物の様な描かれ方です。ガンディーも若い頃は素行が悪かったようですね。
wikiによると「ガンディーはブラフマチャリヤを生涯追求した。ブラフマチャリヤとは『思想・言葉・行為の抑制』だ」そうです。この三つを学んだ事を、暗喩的に、三種類の動物に習った事にしたのかと思います。
では皆がネットで言う、この物語のちょっとおかしな扱いの動物、三毛猫はなんなのか?
まあアニメ「ピンドラ」を知ってる方にはもう分かると思いますが、三毛猫は日本人の事です。でもここからピンドラにも三毛猫が出て来るのですね。
三毛猫は日本以外にはあまりいないので、日本猫と言われています。
この猫がトロイメライを引けと言う。つまり「夢」を見せろとガンディーに言うのです。だから日本人はガンディーにとって生意気で鬱陶しい存在で「も」あったと、宮沢寛治は言いたかったのかと思います。
ガンディーは日本にも関心があったようです。ただこの頃の軍国主義の日本はダメだと思っていたようです。特に中国に攻め入っていた頃ですから、ガンディーにはダメだと言わるでしょう。
などの事から、ゴーシュはガンディーの事だと思います。
そしてこれは、寺山さんもイクニさんも気が付いてたのかと思います。高畑さんも気が付いていたのかな?
この物語、今一何を言いたいのか分からない内容だそうです。
この物語は粗暴だったガンディーが学び成長して、インドでトラ狩りをしている、つまりイギリスと(平和的に)戦っている事を言いたかったのでしょう。
この暗喩が分からないと、何を言いたいのか分からない物語って、まさに寺山、まさにイクニですね。そしてエヴァなどもそうです。
だから寺山さんが参考にした暗喩物語作家として、宮沢賢治が出て来る。
そして、だからイクニ作品にも出て来る。更にだから犬カレー作品にも出て来るのです。
暗喩物語の歴史ですね。
そうなると、宮沢賢治もまた、世間に真髄が理解されてない作家だった、と言う事になります。