アニメ「takt op.Destiny」第一話だけ見ました。
個人の感想です。
メディアミックス作品だそうですね。しかもスマホゲームとアニメの。
メディアミックスだと、やれる事に手かせ足かせが付きやすい為、何かやばそうにしか聞こえません。
ただ、これは個人の思い込みです。あてにしないでも結構です。
絵が綺麗でしたね。
それに、何かやろーとしているのが分かる作品でした。
つまり物語制作中に何かが必要だと思い、考えて面白要素を足しているように見えます。だから好感はもてる作品ですね。
でもまだ何か足りない気がします。
しかしやろうとしてる事がはっきりしてる為か、何が足りないのかが分かりやすい作品だった気がします。何か言いたくなる作品だと言う事でもあります。
逆にアニメ「デカダンス」なんかは、明らかに足りない要素が多いのに、あっちこっちあり過ぎ、根本的に見なおさないといけない作品です。だからこそ「何がまずかった」と言にくい作品でした。
例えば部分的に悪い所がある家とか車は、空調が悪いとか足回りが悪いとか言えるが、それが多いとどこそこが悪いと言うより「根本的に作り直した方が良くないか?」と言いたくなると言う事です。
なので色々細かな問題点を言いたくなるこの作品は、実は良く出来ているのかもしれません。
まず細かな事から。
この作品、背景をぼかしますね。実写である被写界深度を疑似的にやっている。最近たまにありますね。
どうも漫画でも背景をぼかしてくる作品があるようです。岡田んさんがyoutubuで確か言ってました。
ではなぜ今まで無かったのか? 一つは面倒くさいからでしょうけど、そもそも漫画とアニメは背景をぼかす必要が無いからです。
なぜなら背景を目立たせたくないなら「書かなければいい」からです。
でも少しは背景が必要なら「簡単な背景を書けば良い」からですね。
なのにわざわざ背景をそれなりのクオリティーで書き、それをぼかすなんて手書きの漫画アニメだと面倒くさくやる必要が無かったのでしょう。
逆に実写映画だと実際の街並みやセットが背景としてあります。それが邪魔になるのでぼかす必要があるのですね。もちろん実写でも別取りで人だけ映し直し、背景は簡単な書割にするとか、白いカーテンだけの部屋の中で撮るとかやりようがあるけど、それこそ面倒くさく誰もやらない。なら背景をぼかした方が早いからそうするのでしょう。
ただ最近のアニメや漫画で「背景を写真からおこした物」にするとか「背景は3DCG」で出来いたりして、もう細かく出来ているから絵の邪魔になり、だからぼかす、なんて事は考えられます。
しかし今回のアニメはどうだったのでしょうね? ぼかす必要があったのでしょうか?
あったのだとしても、人の作りの情報量が多い実写だから背景をぼかしても成り立つので、アニメだとちょっと背景ぼかし過ぎてる気がしました。
もう少し抑えるべきですね。実写とは違うので、ぼかし方も違うと認識しておくべきだと思います。
さてキャラです。
主人公級の男、魅力が無いですね。なんで多くのアニメでああするのかな?
ただまだ一話しか見て無いので分かりませんが、一話で客の気をひかないのはかなりの挑戦です。よっぽど今後上手くやる気があるのか? 何も考えて無いのか? どちらかですね。
普通は単純に良さを出した方が良いです。少し人の良さを出す。誰か弱そうな人をちょっと救ってみせるとか、優しさを出す。単純だけど効果はあります。
逆にわざと「客に好感を持たせない」キャラにするのなら、それは「意味が無いといけない」と言う事です。今後に効いてくる意味でもあるのでしょうか? なら良いですけど、普通はまずないですね。
別の事でも「ちょっとイケメン」なキャラいりますかね? 女の人なんてこのアニメ見ないでしょ? ゲームもしないでしょ? これもまだ分かりませんけど、今の所女子向けとは思えない作りです。
ならイケメンいりますか?
私ならおじさんにします。ちょっと影があり、過去があるおじさんにする。30代でも良いですし40代でも良い。たぶん娘がいた、もしくはいるでしょう。
このアニメでも主人公級のこの男に過去がありそうでした。そこは良かったですが、サイコパスっぽいイケメンの主人公に影があるより、おじさんがよくないですか?
「でも格好いい系も必要だろう」とか「やはり女子向けも捨てがたい」と言うのなら、私だったら「敵側に影があり、闇に落ちたイケメン」を持ってきますけどね。
そもそも、この手のアニメに必要なのは「魅力的な敵」です。魅力的なイケメンは味方より、敵の方がより魅力的にうつるものです。キャラが男でも女でも。そして客も男相手でも女相手でもです。
今回の敵キャラ、なんて魅力が無いのでしょう。
ゲームでもアニメでも、敵の方が毎回違うのが出て来るので、それを生かすべきです。
ウルトラマンでも違うのが出て来る怪獣の方が興味が湧くでしょ? ガンダムでもザクやドムやザクレロの方がガンダムより興味がわくものです。
それにゲームでも敵キャラの方が多く映り、多く見る物です。なのに敵キャラに魅力が無くてどうするのでしょうね?
ドラクエやウィザードリィー等も、敵キャラが魅力的で映えるゲームがよりウケるのです。なぜなら敵キャラの方が見てる時間が長いので、敵ばかり見てるからです。
ただ今回のアニメはスマホゲームなので、自分達のキャラも見る時間が長いのかもしれません。そうであっても敵キャラも長く見るので、そこに手を抜く意味が分からない。
そして敵キャラに魅力を持たせるなら、敵キャラにも人型が必要です。シャアとかボルテスⅤのハイネルとかです。
そして敵の方こそ格好いい奴が出てくるべきであり、だからこそ金髪の長身のイケメン男は敵に必要なのです。
味方の戦う女の子。あれも良くありげですね。
見慣れたと言うより、見飽きた部類になってきました。
もしかしたら初めだからおえたのかも知れませんけど、もう少しギミックや変形や見た事のない武器などが必要でしょう。
それに物理法則です。これも雑ですね。
始めから女の子が空も飛ぶ。なら今後に「空を飛ぶ」と言うプラスはもうないと言う事です。マジンガーは空が飛べませんでした。だから後半出て来た空を飛ぶモジュールにワクワクドキドキした記憶があります(流石にリアルタイムでは見てませんけどね)。
ドラクエでも始めは船もなく飛行船もなく、鍵さえも少なくドアが開かない。だからこそそれを得た時にワクワクするのに、始めからそれらがあるとつまらないのです。
そして「この女の子も死なないだろう」もしくは「壊れないだろう」としか見れない物語でした。
つまり怖さが無い物語です。
そうすると死の恐怖も、失敗する怖さも描けないと言う事です。
これは「始めから物語的な出来る事をせばめる行為」です。だから失敗ですね。なぜかこれをやる漫画やアニメやゲームが多いですが、何も考えて無いのでしょう。
これら「強力な能力」や「不死身な体」なんてものは、後から付ける事も出来るものです。だから初めはなるべく避けるべきなのに、分かってない人が多すぎます。
ただこの物語は途中からですね。
普通の物語なら第三話位か、第六話位の内容です。
だから「この時間の前を今後やる」「だから一話ではもう強くても良い」と言う事かも知れません。
このプロットをいじくって途中から始まる物語は、私は個人的には好きです。だから好感はもてます。
しかしなら「なんでこの話を一話に持ってきたのか?」と言う事になります。
理由として考えられるのは「始めに客の心を掴んでおく為に、わざと盛り上がる所から始める」と言うのがあります。
でもこのアニメ、そうなってませんでしたよね? どっちかと言うと話の途中の「小休止編」に見える回でした。なぜここから始めたのでしょうね?
等など文句は付きません。
ただ、主人公級の男の右手が無くなると、女の子が赤くなり戦えるとか、タクトふってるとか、体が弱そうだとか、女の子は大食漢とか、何か過去がフラッシュバックで入る所とか、ロードムービーの様に大陸を渡っている話など、何かをやろうとしてるのは分かります。
単純にならない様に、面白要素を足そうと努力をしてる、ようには見えます。
何度も言いますが、だから好感はもてる作品です。
でも、まだまだ足りないですね。
ここから更に一ひねりも二ひねりも加えて、やっと名作になるのです。
前に読んだ脚本の本の中でも「物語制作に終わりなど無い」と書いてありました。
ここからです。これで出来上がりではなく「これでやっとスタートだ」と思える人でないといけませね。
さてこのアニメ、今後どうなるのか?
メディアミックスはダメだと言う、私の期待を裏切ってくれる事を願います。