映画「ワンダーウーマン 1984」感想です。ネタバレです。
悪くはない。筈なんだけど、粗いのかな? 物語も、アクションも。
始めにワンダーウーマンが強盗を捕まえる所でもう「あれ?」と思える。
何か下手なんだよね。
アクションも見せ方もCGさえも、マーベルと比べると今のレベルとは思えない。
下手なアクション担当がやってるのか? お金が無いのか?
物語も粗いね。何をしたいのか? どっちに行きたいのか? 分かりずらい。
これもマーベルとかダークナイトとか他の作品の影響から、偉い人に「あれもこれもいれろ」と言われ、中途半端になったように見えますね。
思えばDCってマーベルと比べると、キャラの絵がアップの印象ですね。
顔がはっきり見える距離からの絵作りが多い気がする。
これは漫画の絵作りだけではなく、キャラの設定等からくる印象だと思っています。
マーベルは宇宙とか未来とか、次元を超えた巨大な敵や場所の印象が強い。だから俯瞰な絵になりやすいのだと思う。
それに比べDCは地味ですね。もっと人目線のヒーローの印象です。
もちろん全体の印象であり違うのもいる。地味なキャプテンアメリカとか、派手はスーパーマンとか。
しかしスーパーマンは俯瞰な作りも出来る筈だけど、あまりしないですね。敵がほぼ巨大な何かではなく、人の大きさの敵だったりしますからね。
だからわざとだと思っています。「DCのヒーローはあくまで人目線のヒーロなのだ」と言うコンセプトがあるのでしょう。
そうなると出来る事が限られてくる。マーベルの真似も出来ないし、しないのだからです。
ではどうするべきか?
映画「ジョーカー」は尖り過ぎているので、やはり答えは「ダークナイト」でしょう。
つまりある程度のリアル路線です。リアルな犯罪者の中に出て来るヒーローと言う訳です。
今回のワンダーウーマンもそうするべきでしたね。
そもそも物語はそのように地味になってるのだから、コンセプトももっと地味なリアル路線にするべきでした。
たぶんマーベルに引っ張られたと思っています。だから中途半端でした。
例えば、敵の親玉マックス。彼の子供時代のいじめられた時をちょっと出してましたね。
なら始めから、暗く雨が降ってる過去から始め、マックスがどのように虐げられ、おかしくなり、どん底の中で「夢をかなえる石」の事をしる所から始める。
つまりマックス事態の映画としても見れる位に始め、進めるべきでした。明るくはしない。そうすれば最後の子供を選ぶ所で感動をよべた筈ですね。
バーバラもそうで、同じく酷く馬鹿にされた人生の中で「夢をかなえる石」に願いを叶えてもらう。
客が見ても「これはしょうがないかな?」と思える位な演出にするべきです。
そして客に「夢をかなえる石」があったら何を叶えてもらうか? を考えさせる演出にするべきです。
そうすれば客も自分と重ね「夢を捨てる事の難しさ」を問う事になる。例え代償があったとしても「願いを叶いたくは無いのか?」と問いかけるのです。
最後マックスはそれでも愛する人がいる事で、願いを捨てれる。しかしバーバラはいないから捨てれない、とするべきでしょう。
そしてダイアナですね。これも明るくは描かない。病んでる位が丁度いいですね。
一見なんでも手に入れられそうなダイアナなのに、手に入らない物がある事をもっと強調するべきでした。もちろんやってましたが、まだあまいですね。
この辺もヒーロー物では無くても見れる位の演出を目指すべきです。
「何かを失った人を描いている映画」としても見れる位にしないと失敗でしょう。
明るくするべきでは無いので、始めのダイアナの子供時代はいらないですね。
(もしかしたらアステリアの元の設定があって、動かせないかもしれませんけど、もし動かせたとして言います)
始めは金の防具のアステリアが「夢がかなう石」を奪い仲間に渡す。この石を作った神か手下に追われ、アステリアが追手を止めたので仲間が逃げれる。と言うシーンから始めるべきじゃないでしょうか?
ちなみに最後のアステリアの登場シーンも雑ですね。なんで力があるのにウロチョロしてるのか? 例えば、倒れてきた柱を止めるが「なんで出来たのか自分でも分からない」と言う顔を見せ去って行くアステリア、とかするべきでしょう。
死んだはずのスティーブも「なんで出すかな?」とは思いましたが、物語の流れで言うと理にはかなっているので、まあしょうがないかな? とは思いました。
つまり「死んだ人の事を乗り越える話」だと言う訳です。
でもだからこそ、ダイアナは病んでいる事にしないといけませんね。
そうする事で「今回で心のケリがつく話」だと印象付けられたからです。
とにかくDCなので、マーベルの真似をしてもしょうがない。
もしくは出来ないのかもしれない。キャラの設定も、会社の実力も。
だからコンセプトをしぼるべきでした。
それに気が付かないと、たぶんこれからもダメでしょうね。