号漫浪正大

輪るピングドラム ~物語を見直す

四色ボールペン

アニメ「ワンダーエッグ・プライオリティ」を四話まで見ました。感想です。

ネタバレです。それとあまり良い事では無いのだけど、予測です。物語を楽しみたい人は最後を見るまでこの続きは見ない方が良いかもしれません。予測は合ってても外れててもつまらない物ですからね。

 

私は元来、監督とか脚本家は気にしないで物語を見てきました。だからあまり名前は知りません。

でもだからこそ名前を知っているい人は、かなりの有名人です。

このアニメの脚本家が野島伸司ですね。私でも知っている有名人です。だから気になって見てみました。

 

wikiによると野島さんは「愛し合ってるかい!」「101回目のプロポーズ」「高校教師」「ひとつ屋根の下」の脚本家だそうですね。

知りませんでしたが、これら同じ脚本家なのですね。確かにすごい。

では何がすごいのか? とても視聴率を稼ぎましたね。つまり皆が気になる事を表すのが上手い。

しかし気になる事はどの脚本家でも分かる。その中でこの人がうけたのは、気になる刺激を上手い塩梅で表す能力がすごいのだと思います。

 

私はそもそもあまりドラマも見ないので、この後の作品は聞いても分かりません。

だから野島さんがこの後どの様になって、今に至るのかは分かりません。

なので、これらの作品を作ってた時より考えなどが少し変わってるかもしれませんが、これら昔のドラマしか知らないので、それを元にして書きます。

 

私は常々「アニメはアニメばかり見て来た人が作ってるな」と思えていました。

そうなるとある一点は尖ってこなれて来るが、全体としたら歪んで偏った物語になりがちです。これはあまり良い事では無いですね。

だから実写ドラマを作り、しかも現実の嫌な所を見せてくる野島さんが、アニメの脚本をやる事は可能性があるなと思いました。

今、良くあるアニメでは描かれない要素を入れてくれるかもしれない。

とは言え、そうは言ってもそこまで上手く行かないだろうと思っていました。

しかしやってくれましたね。ちゃんとアニメではあまりない要素を入れ、それを描く描き方もアニメ的ではなく、しかも実写では描けれないアニメならでは作品になっています。

ちょっと「昔うけた人」だとなめてましたが、思った以上に上手い人なんだなと言う印象です。

 

最初に書いた私がみたこの人のドラマ。そこから思う事は「刺激的なものを出す」「しかし出し過ぎない」と言う事です。

刺激的なものを出すだけなら誰でも出来た筈です。しかし他の人ではなく、この人の作品がうけたのは意味があるのでしょう。

思い出してみたら「刺激的なものを出すけど、結構おさえているよな」と思えてきました。つまり出し過ぎない。出し過ぎると見てられなくなります。あくまでそれを思い起こさせる程度にしておく。つまり塩梅が上手いのです。

そして見てられるドラマでした。つまりその刺激的な所が取りざたされるけど、それ以外の基本が上手かったのだと思います。

ただ私はこれらのドラマを昔々に見たので、何がどう上手かったのかは流石に思い出せません。それでも飽きずに見てられる作品だったので、上手かったのだけは分かる。

上手いけど「コードギアス」の様な次々と刺激的て見たくなる展開、と言う訳でもなかった筈なので、やはり基本が上手かったのだと思います。

 

この基本の上手さは今回のアニメを見ていると分かりますね。

展開が急すぎない。だが遅すぎない。

所々で刺激的なものを入れてくる。所々で緩急をつけアクションも入れてくる。しかし入れ過ぎない。

飽きない様に味付けを少しずつ変えるが、全体の味が分からなくなるまでは変え過ぎない。それに刺激のある強い味を入れるが「辛すぎて食べれない」「甘すぎて胸焼けする」となるほどにはしない。言葉では教えずらい、程度が分かってる人です。

一つ一つは何処かで見た事があるものの寄せ集めである。つまりこの脚本家が今まで画いたであろう世の中の問題点をここでも描いている。

それにこの不思議な世界。アリスっぽいこれらも、今まで多くの人がやって来た事とたいして変わらない。

しかしそれらの表し方、出し方が上手い。塩梅が上手い。だから鬱陶しくなく、いやみにもならず見てられる。

これらは脚本家か監督が上手いのでしょう。しかし脚本家が歳も結構行ってる有名人なので、たぶん脚本家の影響が大きいのじゃないのか? と思える訳です。そうなると野島さんは基本の能力が高い人なのだな、と思える内容ですね。もちろん、もしかしたら監督も上手いのかもしれないけど。

 

アニメにそれ以外の物語作りの能力が加わる。

最近はアニメだけ見て来た人が作ってるのじゃないのか? と思える作品が多いので、この作品は意味が大きいですね。

そもそもアニメだからとかではなく、基本の作り方、出し方の上手い人がやってくれてる事も価値がある作品です。

 

さて、アニメの内容の事です。

どうもミステリー調ですね。だから何か隠されてるようにも見える内容です。

野島さんは、元々はそんな大きな謎が隠されてる作品を作る人ではないですね。だから勘違いかもしれないとは思っています。

しかしこの人は「どういう作品を作る」と言うよりも「どういう作品が求められている」を考えるのが上手い人にも思えます。

だからアニメをやるにいたり「アニメ的で表現できるもの」で「アニメならでは表現」としてアリスの様な世界を描いた気がします。

そしてアニメは精神世界なのだから、精神的であり夢的なものを取り入れる。

そこに「大きな枠の外を描ける」事に気が付き、大外に謎を作る作品にする。と言う可能性はあるかもしれない? と思っています。

 

例えば不思議の国のアリスはとても不条理で整合性も見つかりません。

だけどこれが夢の世界だと思えば、まあ分かる内容です。

ただそれでも本当の夢ではなく作り物なのだから、物語作りとしての整合性は取れてない。

しかしそれも「実際の少女アリスの為に作られた作品」という物語の外側、大外の内容が分かると納得がいく作りです。

ただ、実在の少女アリスが喜ばすだけの物の羅列だったのです。

そう思うと物語は不条理でも何でもよくなり、全てのつじつまが合うのです。

 

だからもしかするとこのアニメも大外に謎があるかもしれません。

ただそうであっても、それがあくまでアニメの中での大外になるか? それともアリスみたく物語を飛び越えた外側を大外にするのか? と言うのはまだ分かりません。

例えば「アニメの中で大外に謎がある」と言う物語は「全て病院のベットで寝てる人の夢だった」等の話です。

そして「それも飛び越えた実際の世界に大外がある」と言うは、見ている人に直接訴えかける事を第一に考えた作品になると言う事です。

これらはどちらであっても、オープニング曲が卒業ソングなんで、もしかしたらこのどちらか? と思える作りですね。

それに主役の名が「大戸アイ」ですね。アイは「目」ではなくて、英語の「I」かもしれないと思っています。

 

ではもっと細かな謎について。これらもただの考えすぎかもしれませんけど。

アイの部屋にあるのは二段ベットっぽいなと言われてますね。なぜか?

家に帰ると先生(何の?)が家にいる。それを玄関の靴で表す。しかし始め家に帰ると先生の靴と母の靴と、もう一つ靴がありますね。誰のなのか? もちろんただ他のアイの靴が置いてあるとも考えられるが、ならなぜいつも他の靴がない玄関なのか? つまりちゃんと使う靴以外はかたずけている家だと言う事であり、それなのにわざわざ置いてある小さな靴は誰のなのか?

アイがオッドアイなのも二面性や、実は二人を表しているとも考えられる。

アカに裏アカがいますね。そしてやってるのが囲碁です。ここも二面性と裏表を表してます。

アイの部屋の壁に同じ図形で色が違う絵があります。これも二面性か多面性を表していないのか?

私は分かりませんでしたが、考察サイトを見ると、始めに出て来た黄金虫はエドガーアランポーの小説「黄金虫」を表し、この小説に出て来る暗号解読の要領で卵に書いてある文字が読めるのだそうです(他のサイトはためになります)。

この暗号もある文字をある文字で置き代えると謎が解けると言うもです。つまりこれもある人をある人で置き代えれる、と言うヒントではないでしょうか?

では誰を誰に?

 

メインキャラクターが四人います。

公式サイトでキャラ説明を見ると、それぞれを表す特徴の色が分かります。

始めか最後に出て来る四つ並んだ実写の卵の絵、それにもこの四色が塗ってありますね。

そしてアイの武器が四色ボールペンです。その色がこの四色ですね。

黄色、赤、青、緑です。

しかし実際の四色ボールペンで黄色はまず無い(あくまで普通はない、ですけど)。

肌が褐色の子がいますね。なぜ褐色なのか? そしてこの子は服も黒っぽいです。だからこの子は黒色を表すのかな? と思ってましたが緑色でしたね。確かに目は緑です。

でも他の子は服の色がイメージ色になっている。褐色の子だけ違う。

しかしです。普通の四色ボールペンである色は、黒、赤、青、緑です。もしかしてこれが正解では無いのか?

褐色の子は黒では無いのか?

黄色は無いのでは無いのか?

では緑色は? 小糸がネクタイも目も緑ですね。

銅像になった小糸は顔が見えません。本当に小糸なのでしょうか?

小糸はいるのか? いやアイはいるのか?

なぜプライオリティなのか?

 

さて、面白くなってきましたね。