号漫浪正大

輪るピングドラム ~物語を見直す

Go to コ〇ナキャンペーン

漫画「宇宙家族カールビンソン」の子供がコロナちゃんですね。

「赤ん坊だったコロナちゃんの宇宙船と衝突事故を起こし、唯一の生き残りのコロナちゃんの為に、衝突した方の宇宙人たちがコロナちゃんの父母のふりをして生活をする」と言う物語です。

私は基本、子供相手でも嘘はいけないと思っています。

しかし嘘も方便と言う事もある。

「三つ子の魂百までも」と言うように小さな頃の思い出は、下手をするとトラウマになりかねない。

だから「赤ん坊だったコロナちゃんに親のふりをして育て、大きくなったら本当の事を言う」と言う物語でも、間違ってはいないと思います。

しかしこれは滅多に無い例外です。

 

今から書く事は、前から思っていたけど「年末年始に説教臭い、暗い話も何だな」と思い書かないつもりでした。

しかし二日現在、東京に緊急事態宣言でそうですね。だから書きます。

 

ゴーツートラベルキャンペーンをやった挙句、業者のかきいれどきの「年末」に感染者を増やし、おじゃんにする。

狙いがピンポイント過ぎてお見事です。

茶化すなって? 

旅行業界が死にそうで、わらをも掴む事に対してですよね?

しかし死にそうなのは旅行業界だけではないし、飲食業だけでもない。

私だってどうなるか分からない位の立場でやっと生きているので、高みの見物でも無いのです。だから苦しさは分かってるつもりです。他人事でもない。

それなのに旅行業界だけに特別にキャンペーンです。明らかに旅行業界から金が流れている誰かさん達の行動なのが分かります。しかもそれを皆知っているのがこの国ですね。文句を言わない、言えない、不思議な国です。

 

しかしこれは意味がある。言い訳でしょうけど、それでも理由がありますね。

つまり「旅行に行く事により。国が補填したお金よりもっと多くのお金を動かす」と言う事ですね。

そしてもっと大事なのがイメージ戦略です。「旅行や飲食店に行ってもいい」と言う事から「お金を使う行動をしてもいい」と言うメッセージになり、それらによって普通の生活を促し、旅行業界だけではく全体の景気を良くしようと言う事です。

この事自体は間違ってはいない。良い言い訳です。

 

だが、旅行業界だけだといくら何でも露骨すぎると、飲食業にもゴーツーイートを始めましたね。これで感染者は増えましたね。

飲食と言う皆がするもので、気持ちを緩くする事が危険なのが分かってなかった。皆がするもので緩くする事で、他の皆が普通にする事でも緩くなるのです。

「旅行は良いけど飲食時は気を付けよう」と言うメッセージをちゃんと伝えておけば、ここまではならなかった筈です。

しかし飲食時に気を付けようとは、前から言ってましたよね? なのになぜかゴーツーイートが始まると、この事自体も忘れたかの様な状態でした。

これが嘘の限界です。

旅行業界だけだと露骨だから飲食業界でもキャンペーンをやる。旅行にはどしどし行ってほしい。だから飲食もどしどし行ってくれと言うしかない。だから「一言もしゃべらずに食事をしろ」とは言えず、結果世の中の全ての事で気持ちを緩くさせたのです。

どこかのお偉いさんが「旅行は感染者を増やした原因とはいえない」と言いましたね。そんな事は皆知っている。それに付随する「緩くさせるイメージ戦略」が悪いのだとまともな人達は言ってたじゃないですか。聞いてないのでしょか?

結局、思惑ありのキャンペーンだったので、それが原因で緩くさせたのです。「国民にお金を使わす気持ちを植え付ける為のキャンぺーンだから、旅行と飲食だけのキャンペーンでもいいのだ」と言う言い訳から「緩くさせるイメージを植え付ける」事に葉歯止めがかけれなかった。それで増えたのです。

 

映画「キューブ」で面白い事を言ってました。

映画では人が閉じ込められた施設で、人がトラップにかかり死んでいくと言う物語です。

この施設は「始めは何かの理由で作られた。しかしその後利用価値が無くなったが、作ってしまったので使わないわけにはいかず、それで人を入れ使っている」のじゃないのか? と言う話でした。

つまり始めは違う意味があったが、その後それが意味がなくなてしまったが、お金をかけて作ってしまって使わないと誰かが処分されるので、誤魔化すために使っている。

この施設を使う理由もなく、使い方も始めとは違くてもです。そしてその行動自体にもはや何も意味が無くてもです。

こういう事がありますね。意味が変わってくる事です。そしておかしくなって危なくなってくるが、後には引けなくなる事です。

この事を、今回の日本の現実のキャンペーンでは思い起こさせました。

 

「ゴーツーキャンペーンは景気の為のキャンペーンだ」と言う嘘から始まったから、おかしくなったのでしょう。そして後に引けなくなった。

始めから飲食は別にしとくべきでしたね。そっちのキャンペーンは危険だからやらないとすべきでした。

では飲食業界はどうなるのか? と思うでしょうけど、全てが上手く行く事等ないのです。全ての業界を救う事は出来ない。

なのに誤魔化しキャンペーンをすれば、結局年末に感染者を増やし、結果もっとダメな状況になるじゃないですか。本末転倒で、悪化させる事にもなる。

 

もちろん、誰にも未来は分からないので、キャンペーンをやってみる事は良かったのかもしれないと思っています。

しかし危険だと認識しておいて、嘘をつかず始めから「危険があるかもしれず、ちょっとした危険な調教が見えたらすぐ止めます」と言っとくべきだったのです。

しかしそれを怠った。

「そんな事を言ったら皆の財布を緩くする効果が少なくなるじゃないか」等と言うあんぽんたんがいたのでしょう。もう一度言いますが、そいつがかきいれどきの年末年始に感染者爆発をぶち当ててきたのです。

 

それでも救いたいのなら、単純にお金を直接ばらまくしかない。

この国は借金まみれですね。しかし「でもかまわないのだ」と言う人がいますね。

借金がいくらあってもかまわないのなら、どの国でもやってるでしょ? 日本だけ頭のいい国だとでもいうのでしょうかね?

もし今借金が無い国だったなら、借金してばらまけたと思いませんか? もちろんそんなに単純な事でもない気はしますけど、今の状況よりはましだった気がします。

私には、「これで良いのだ」と理由も言わずバカボンのパパのように全肯定してきた事の、つけを払わせられている気がしますけどね。

「借金がいくらあってもいいのだ」は嘘ですね。

 

大事な事を言わないのは嘘ですね。

しかし嘘も方便な時もあります。

 

今年で原発事故から十年ですね。あの時「メルトダウンはしてない」としつこく言ってましたが、嘘でしたね。

しかしこれを言ったらパニックになってたでしょう。だからこれは嘘に方便でした。

 

最近出て来たニュースであの事故の時、天皇に東京から逃げてくれと要請したそうですね。しかし皆逃げて無いからと天皇は断ったそうです。

これが美談なのは良い事ですが、気にするべきは「東京にいても危ないかも知れなかった」と言う事です。

地図見てください。福島から東京までどの位あるのか。ここまですべてが「いるだけで危ない範囲だったかも」と言う事です。

つまり最悪な状況だったら、この区画一帯が住めなくなってたかもしれないと言う事です。これが原発ですね。

十年でみんな忘れてますね。これが原発事故ですよ。吉田所長も東日本に住めなくなるイメージがあったそうです。そうならなかったのはたまたまです。

 

私は、この原発の危険性を国民がそれが分かっていて選ぶのなら、構わないと思っています。

地図を見て福島から東京まで危ないと分かってるのなら。生まれ育った町を見て、家族を見て、それでも選ぶのなら構わないと思います。

実際、確率は小さいでしょう。それに原発が無い時の電気代とか、他のもろもろのお金の事も計算する必要があります。

それらを考え、それで選ぶのは構わないでしょう。

嫌な人は(自分も)その地域から出て行けばいいと思っています。もっと言うとこの国から出て行けばいいのです。

出来ない人もいるでしょう。その人は無理してでも出て行くか? そのまま残り、運悪く事故に合うかです。

つまり出来ないと思った人は、この時点で通り魔に会ったようなものです。つまり皆が幸せな正解があると思ってる方が間違いです。

いざって時の出来る事を増やし、生き残る可能性を増やす事しか出来ないのです。

そしてそれは選挙もそうです。任せる人を間違えたら不幸しか残ってはいないのです。

 

問題は、この事を皆で議論できない状況なのが危ないですね。

原発も選んだのではなく、選べるような知識を与えられてなかったのなら、それは国家の嘘です。

問題点は「嘘が無く、皆に教えられているか?」に係っているのです。

 

漫画カールビンソンでは子供のコロナちゃんに、私達が親だと嘘をつきます。これは嘘も方便です。

しかしこの国のお偉いさんは国民を子供扱いですね。そして子供騙しな事を平気でします。これは方便ではない。ただの嘘です。

これは政治家に対する苦言です。しかし政治家は選挙で選ばれています。つまり国民の代表者です。政治家がこの国を表している。

政治家への苦言は国民への苦言です。そして国民とは私の家族や友達、そして自分自身も含めた者です。だからこれは自分自身への苦言でもあります。

つまり他人事でもなく、誰かを責めて終わりでも無いのは分かっています。

 

漫画のコロナちゃんに対しても、作中で親代わりが「飼ってるインコが逃げた」とウソを言います。こっちは言う必要もない嘘です。

これは子供の為だ、と言って嘘をつく。

嘘をつかれた子供は嘘をつく大人になって行くのです。

そして嘘をつく大人は、大人にも嘘をつく。

何が言ってもいい嘘で、何が言ってはいけない嘘なのか? 分かっていますか?

その違いが分かっている人が、どの位いるのでしょう?

 

言ってはいけない嘘を言う権力者は、国を滅ぼしかねない。

そしてそれは、大人が子供に言う簡単な嘘からすでに始まっているのです。

私達は出来る事からコツコツ始めるしかない。

私は遠回りでも、まずは嘘について考えて見る事から始めるべきだと思っています。