号漫浪正大

輪るピングドラム ~物語を見直す

大人になれなかった人の話

テロを扱う作品がダメなのではなく、ダメなものはダメだと言う話です。

 

アニメ「残響のテロル」感想です。ネタバレです。

 

言い方悪いけど、問題は幼稚だと言う事。

テロを犯すのが子供なので、だから幼稚だと言う内容にすればまだよかったと思う。しかしそうなってないので、作り手が幼稚だと思われても仕方がない。

とにかくもったいない。

 

テロ行為をする17歳の少年(青年?)の話。

確かに気を使ってる話だと思う。

テロをするにも理由があり、しかも人が死なない様に気を使っている。

でもあれは誰か死ぬよね? 最初の都庁爆破してる事態で誰も死なないなんて事は無い。だから初めから嘘っぽい。

最後の高高度核爆発も電気類が使えなくなるから、病院で誰か死ぬね。ペースメーカーの人はもれなく死ぬ。

核が良くあるのではなく新型らしく、もしかしたらそこまで大きな爆発は出来ないのかもしれない。だから停電の範囲が東京位かもしれないけど、それでも少なくとも数人から数十人は死ぬ。

病院の事もアニメ内で言ってたのだが、それでも何とかなると思ったのか? もしくは作り物だからと無視したのか? どっちにせよこの辺が幼稚に見える所ですね。

この幼稚で中二病感が出て来る所、東京を海に沈めた新海監督に重なりますね。どっちもその影響が大きい事が分かってないし(どっちも物語上沢山人が死ぬ話なのに分かってない)、リアルな世界のリアルな少年達にも影響がある事が分かってない。

結果、テロをスタイリッシュに描く。まるで少し皆が困る程度で済むと思わせる、子供を勘違いさせる物語です。やはりやってはダメだったのでしょう。

しかしこの主役二人は死ぬのだが、ここは気を使っているのでしょう。テロを犯した奴は死なないといけない。

でもなら誰も死なない様に描くのはなぜか? この二人を正義の様に描くのも何故か? どうも取ってつけたような作りの感じがぬぐえない。やりたい事に(テロに)理由を後付けで無理やり作ってるので、つじつまが合わなくなっているように見える。

私の意見ではないけどネットで誰かが「二人が人間性を取り戻す話ならよかった」とコメントしてました。本当そうですね。それなら話としてつじつまが合ったのにね。惜しいね。

そしてネットで「ヒロインがいらない」との反応が多くありました。まあそうですね。これもいっその事ヒロイン目線の物語にして、だからこそこの二人が何をやってるか今一分からないと、ミステリー感を出した方がよかったのじゃないだろうか? そうすれば「一般人の少女の蜃気楼の様なひと夏の物語」になったのに。ただこれはこれで描き方が難しくなるけどね。

他にはヒロインを柴崎刑事の娘にすれば良かったのにね。そうしたらもっと出て来る理由が付いたのに。

 

このアニメもそうだし、「C」も「サクラダリセット」も「エルゴプラクシー」もそうだが、とにかく惜しいね。

せっかく基本はもう出来てたので、あとは細かな所をすり合わせたり調整したりするだけなのに。もちろんこの「だけなのに」が難しいのかもしれないけど。

アニメなどは名作になるか、そうじゃないかで結構売り上げが変わってはこないだろうか? だとすればシナリオを作って一年くらい寝かせて考えるか、誰か他の人が見なおすかして詰めれば名作になった作品があるような気がします。音楽で言う編曲の人ですね。やっているのかもしれないけど。

もちろん色んなしがらみやルールがあるので、一個人が出来る事は限られてくる。だからもっと上の権利がある人が考えるべき問題だと思います。利益の為にね。

 

フォローじゃないし、前にも言ったけど、このブログで書いてるのは書くに値する作品です。

文句も言いたくない作品もあるのです。

だから今書いているこの作品は、最後まで見れたし、問題もあるけど個人的には好感が持てる作りでした。

もったいないな、と言う感想に結局またおさまる訳です。