空想上の生物 バジリスク 色々言い伝えがあるようですが、私が昔から好きな表し方が 砂漠の王 です。
バジリスクの目を見た者や、近くにいた者を石に変えると言います。
そして石にされた者や植物などがやがて崩れて砂にる。
そして砂漠になるのです。
バジリスクは元々砂漠にいたのではありません。
いた所を全て石に変えた為に砂漠になっていくのです。
他に誰もいなくなり、砂漠でただ一つの生き残り、それが 砂漠の王 なのです。
漫画「バジリスク 〜甲賀忍法帖〜」の事を書きます。アニメ化もされてます。
そして「まどマギ 叛逆の物語」の事も書きます。
ネタバレです。
漫画バジリスクは山田風太郎さんの小説「甲賀忍法帖」が原作だそうですね。
特殊能力戦闘ものってこの辺が始まりなんですかね? まだ前があるんですかね? もうその後に流行る特殊能力戦闘ものそのもので、出来上がってましたね。
この小説を漫画にするにあたり題名に「バジリスク」と付けたようです。伊賀甲賀両方の大将が、どちらも相手の目を見ると能力をかけれる所から付けたようです。
伊賀の大将は相手の特殊能力をやぶれる。甲賀の大将は襲い掛かってきたものを自滅させるのだそうです。
その中の甲賀の大将の能力はとても強力で、中々太刀打ちできなさそうな(目を見ないなど対抗手段があり無理ではないが)最強の能力と言う描かれ方だったと思います。
しかし結局甲賀の大将は何も手に入りませんでした。参加した伊賀者も甲賀者も皆死に、愛する人も救えず、自分も自害しました。
戦えば最強の能力を持っていたのにです。
最強の能力を持っていても、何も手に入らない。これがバジリスクでは無いでしょうか?
バジリスクとは相手の目を見て能力をかけれる所から題名が付いたのではなく、最強の能力を持っていても何も出来ない、手の間から抜け落ちていく砂の様に何も手に入らない、そんな所から取ったのではないのかと思っています。
「戦えば最強の能力を持っている事が何になるのか?」と説いていたのでは無いでしょうか?
まどマギの叛逆の物語の事です。
この映画では、ほむらがトカゲであると言う事を連想させる演出ですね。
このトカゲも色々な意味があり、一つでは無いようなのですが、その中の一つの意味がバジリスクですね。
バジリスクは悪魔の意味もあるそうなので、ほむらの悪魔化も指しているのでしょう。
バジリスクは目を見ると相手を石に変えてしまいます(違う言い伝えもありますが)。
この映画では、バジリスクの他に、ほむらは目でもあると言う演出でもあります。なので目も良く出てきますね。
ほむらは目で何を見てるのか? もちろんまどかです。
テレビ版のエンドロールの最後、まどかが目玉になっている。つまり目で見られ捕らえられていると言う暗示ですね。今更気が付きましたが、この顔ほむらなんですね。
ほむらは最強の力で目で見たもの全てを動かない石に変えてきた。つまり時を止めてきた。もっと言うと同じ時間を繰り返してきた。
時が動かない様にする事と、石にして固めてしまう事をかけているのでしょう。
そして結果、全て砂になったのです。
だから叛逆の物語のオープニングの歌の所、砂漠なのですね。
何も手に入らなかった。まどかは砂になり消えてなくなったのです。自分の周りも砂漠になり一人ぼっちになってしまった。最強の力を得た 砂漠の王 だったのです。
エンドロールの少し前、夕日の町の絵で空に浮かんでいる石ありますよね。
あれは円環の理になったまどかの紋章ですね(こんなの元からのファンしか分からないって)。
くるくる回っていますが、裏の絵が少し違う。しかしよく見ると絵が違うのではなく、石が欠けていたのですね。なので絵が違く見えていたのです(だから分からないって)。
これは円環の理をほむらは石に変えてしまった。しかしその一部は普通に生きるまどかとして切り取ってしまった、と言う事ですね。
叛逆の物語の前にバジリスクとして全てを砂にしてしまい、砂漠にしてしまった。間違えてしまった。
そして今回どうしたのかと言うと、円環の理だけを石にして、まどかは切り取ったのです。懲りないですね。
普通やり方変えるのに、もっと強く行く所がまどマギですね。
「執着心が強い、怖い女だなあ」と思うか
「ほむら上手くやってくれたな~、このやろ~」と思うかで今回の評価は分かれますね。
でも初めの歌の所で一人砂漠でしゃがんでいるほむらを見ると「まあ、これで良かったんじゃないのかな?」と思えてきますよ。
漫画バジリスクの問い「最強の力を持っていて何になるのか?」のまどマギの答えです。
それで上手くいかなかったのなら、もっと強い力を持てばいい。魔女でダメなら悪魔でいけばいい。と言う事ですかね。
砂漠の王でダメなら、砂漠の女王様でいけばいい、との事です。
確かに強そうで、男だとかなわなそうですね。
生きていく力のこもったアニメであり、今日本で足りないものであり、意外とこれはこれで一つの正解かもしれませんね。